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206億円の円借款決定=環境、衛生改善2案件に

ニッケイ新聞 2009年7月17日付け

 日本政府はビリングス湖流域環境改善計画に対し約六十二億八百万円、サンタカタリーナ州沿岸部衛生改善計画に対し約百四十四億二千六百万円、総額二百六億三千四百万円を限度とする円借款協力を行うことを決定し、十四日ブラジリアの外務省で新井辰夫在伯臨時代理大使とセルソ・アモリン外相との間で書簡が交換された。
 事業はサンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ(SBC)市にあるビリングス湖北部流域の下水道を整備することにより、サンパウロ大都市圏の給水源の水質改善、流域住民の生活環境の向上及び周辺の自然環境の保全を図るもの。また、ブラジル南部サンタカタリーナ州沿岸部に所在する計七市において、下水処理システムの新設・拡張を行うことにより、衛生状態の改善、生活環境の向上、自然環境の保全を図るもの。
 日本政府による対ブラジルへの円借款は、〇四月八月サンパウロ州上下水道公社(SABESP)に対して、サンパウロ州沿岸部衛生改善事業へ二百十三億円供与されて以来。供与条件は、金利が年一・二パーセント、償還期間は二十五年。
 対ブラジル有償資金協力の第一号案件は八一年、港湾建設工事など三件、二百二十億円だった。以来、十五件、総額二千四百十五億円の有償資金協力がされてきた。
 今後はJICA(国際協力機構)と借入人との間で、融資契約締結のための交渉などが行なわれる。

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