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史料館=半澤ボランティアが着任=写真の「人探し」も再開

ニッケイ新聞 2009年8月5日付け

 ブラジル日本移民史料館が文協水曜シネマの会場を利用して行っていた所蔵写真の「人探し」が、五日の上映日から再開される。史料館学芸員のJICAシニアボランティアとして先月着任した半澤典子さん(64、栃木)が担当する。
 同企画は史料館が所蔵する昔の写真の撮影場所、写っている人物などを特定するもの。一昨年六月まで史料館のシニアボランティアとして活動した小笠原公衛さんが中心となり、二年間で三百三十枚の写真を紹介。それまで不明だった写真の場所、人物など多くの情報が寄せられた。
 小笠原さんの任期終了以来休止していたが、二十七日に半澤さんが着任したことを機に再開されることが決まり、文協図書・映画委員会の小森広副委員長、布施直左コーディネーター、ペルシチ・マルコス同史料館職員と三十日、案内に本紙を訪れた。
 同コーナーは五日の水曜シネマから再開され、史料館にある一万枚余の写真の中から毎週五枚を選び、上映前にスクリーンに映し出す。毎回「運動会」や「植民地」など、テーマを決めて実施する予定だという。
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 学生時代には「国際移住研究会」として学生海外移住連盟(学移連)に所属し、沖縄県の西表島で移住調査にも携わった経験を持つ半澤さん。栃木県内の高校で社会科の教師として勤め、退職後は卒業した宇都宮大学大学院国際学研究科で「移民研究」に取り組んだ。
 ノロエステ地方グァラサイでデカセギによる日系社会の変化などについて研究し、国際学修士号を取得している。学生時代から通算して四十年間蓄積してきた移民研究を活かしたいと考え、JICAに応募したという。
 半澤さんは、「良きものは踏襲し、改善すべきところは変えていきたい」と意気込みを語った。半澤さんの業務は移民史料館内の史料室の分類などで、任期は一一年六月頃まで。

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