ホーム | 日系社会ニュース | 熊本芸能祭に120人=サンパウロ市=60演目で1日楽しく=中川さんの浪曲も大好評

熊本芸能祭に120人=サンパウロ市=60演目で1日楽しく=中川さんの浪曲も大好評

ニッケイ新聞 2009年8月7日付け

 熊本県人会(小山田祥雄会長)は、二日午前九時から同県人会館で「第三十九回熊本芸能祭」を開催した。約百二十人が集まり賑わいをみせた。
 芸能祭は、小山田会長の「日本文化を後継していくことは大切。今日は楽しい一日にしましょう」との挨拶で開幕。
 「ボケない音頭」で一同輪になって踊った後、計約六十演目が披露された。
 ロンドリーナから参加し三十八回目の出演を果たした中川芳月さんは、同県人会初代会長・中尾熊喜氏の人生を綴った自作の浪曲を披露。会場から大きな拍手が沸き起こった。
 中川さんは、「今回は少し変った浪曲にした。皆に喜んでもらえて嬉しい」と話していた。
 今年はカラオケのほか舞踊が多かったことが好評で、特に若手の田中みずえさんによる「誰か故郷を想わざる」、「野崎小唄」は観客の目を引いた。また、男性の舞踊は珍しい、と門脇純冶さんの「北国の春」や「柔」の演技が注目を浴びた。
 昨年はロンドリーナからの参加は一人だけだったが、今年は婦人部からの参加も多く十人が出演した。団体舞踊など参加者全員の演技を終え、三時過ぎには帰りのバスで出発するスケジュールだった。
 会員の寄付により集まった賞品六十個を前にしてのくじ引き大会も盛り上がりをみせ、午後四時半過ぎ芸能祭は幕を閉じた。
 荒木信秋さん(83、熊本)は、「初めて会のイベントに参加した」と話し、楽しんだ様子だった。
 小山田会長は、浪曲の後継者がいないことを心配しながらも、「去年よりも賑わった。若者が参加してくれ嬉しい」と満足げに話していた。さらに、「来年は四十周年にあたるのでさらに盛り上げていきたい」と力を込めた。

image_print