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新型インフルエンザ=在留邦人の感染者を確認=援協、サ・クルスでも対応策

ニッケイ新聞 2009年8月15日付け

 新型インフルエンザの感染者が未だに増加しつづけている。十三日時点で、伯メディアの報道によれば、少なくとも国内で二百七十七人が死亡。在留邦人の状況を関係者に聞いたところ、在サンパウロ総領事館は、「きわめて少ない数だが感染者がいる」と回答。日伯友好病院でも、これまでに十人の患者を受け付けており注意が必要だ。
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 十一日に在サンパウロ総領事館の松代俊則首席領事代行に行った電話取材によれば、同館管内のサンパウロ、マット・グロッソ、南マット・グロッソ各州およびミナス州三角ミナス地域で、「きわめて少ない数だが在留邦人の感染者がいる」という。
 詳細については明らかにしなかったが、「危険な話は聞こえてこない」と話している。
 サンパウロ日伯援護協会の経営する日伯友好病院では、十二日現在までに新型インフルエンザの患者を十人受け付け、そのうち二人は同病院に入院した。具志堅茂信事務局長によれば、十人は三十代までが多く、そのうち一人は日系人の子供。
 七月には、同病院で受け付ける風邪患者が二割増えており、職員もマスクをつけて対応しているという。「体力が弱っているときに罹りやすい。無理をしないようにして、手洗い・うがいをしっかりする」と指導している。
 サンタクルス病院ではこれまでに四人、新型インフルエンザの疑いがある患者を受け付けたが、検査の結果、いずれも陰性反応だった。
 職員や医者がマスクをして対応するほか、風邪の患者用の待合室を別に設けている。
 診察医療管理者の藤村ゆりさんは、「空気が乾燥しているので、人ごみは避け、風邪の人には近づかないように」と注意喚起している。
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 世界保健機関(WHO)は十一日、新型インフルエンザによる死者が六日時点で累計千四百六十二人になったと発表した。感染者が確認されたのは百七十カ国・地域で、累計の感染者数は少なくとも十七万七千四百五十七人となった。

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