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大耳小耳

ニッケイ新聞 2009年9月15日付け

 大阪・サンパウロ姉妹都市提携四十周年の記念歌謡イベントの第三部「歌謡成世昌平ショー」でのこと。「貝殻恋唄」でステージから客席に下り、観客の握手の求めに応えながら熱唱する成世さん。カメラを手に写真を頼む人や歌っている最中にも関わらず、皆握手しながら「私も大阪よ」と声をかけてくる〃コテコテ〃の大阪のおばちゃんもいたとか。「思わず歌詞を忘れそうになりましたよ」と笑顔。
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 訪日したCIATEの二宮正人理事長。東京都新宿区のハローワーク(公共職業斡旋所)の職探しシステムで、試しに自分の経歴をコンピューターに入力してみるという茶目っ気を見せたという。するとUSP法学部教授、東大客員教授というキャリアだけあってすぐ仕事が見つかった。何と「図書館のドアの開閉係」…。まともな仕事はハローワークでは難しいのか。なんなら新総理、新厚生労働大臣にも試してもらったらいかが。
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 愛知県で行われたシンポで中川郷子さんは、かつての日本移民の子供と今帰国するデカセギ子弟を比較し、「戦前はブラジルへ出稼ぎ気分で向かったため、戦前移民の二世で両語とも読み書きできない人がいる」と指摘。上手に成長した子供の特徴は、本人、親、教師が三位一体となった努力だとか。統計やマニュアル、バイリンガル教育にとらわれず、子供の未来を信じて努力を継続させる教育こそ、これからの国際社会には必要だと痛感させるシンポだったようだ。

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