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グルッポ・ニッケイ=資金不足で運営困難に=創立10年目に解散か=島袋代表「コロニアの支援を」

ニッケイ新聞 2009年9月19日付け

 デカセギ向け「ただいまプロジェクト」を推進、今までに二千人以上の雇用を助けてきたグルッポ・ニッケイ(日系グループ慈善促進協会、島袋レダ代表)。運営資金の不足から、今年十月の創立十周年を目前に解散の危機に迫られている。月に約二百人が相談会に足を運ぶが、「もう維持できない」と島袋代表は悲鳴を上げている。

 グルッポ・ニッケイは一九九〇年代のデカセギブーム後、帰伯し就職の失敗や精神問題を抱えたデカセギに心を痛めた島袋会長が、失業者救済を目的に九九年に設立。
 ACAL(リベルダーデ文化福祉協会)の支援で東洋文化会館に事務所を構え、企業・個人からの求人、失業者や転職希望者、日本就労希望者の相談を行ってきた。「ただいまプロジェクト」では、帰伯者の就職斡旋支援を実施する。
 登録企業は約千三百社、今年六月までの調査では十年間で延べ約一万二千人の応募者があり、そのうち日系人は七千人、デカセギ帰伯者は三千人。同事務局によれば、「この十年間で同会を通し、二千三百十七人が職を得た」という。
 月に二回の相談会への参加者は、昨年は百人前後、そのうちデカセギは約三十人だったが、経済危機の影響で昨年十月より一気に増加。
 現在は月約二百人が参加し、そのうちデカセギ帰伯者は約百二十人を占める。
 しかし、コロニアからのサポートも少なく、事務員の雇用や相談者・企業への配布資料のコピー代など一カ月約五千レアルの運営費がかかる中、寄付等による収入は、わずか一千レアル。    会員登録された三社、二十人の個人からの毎月の寄付も年々減りつつあり、差額は全て島袋会長が個人で負担している状態となっている。
 島袋代表は、「日本で解雇され、失業手当で生活しているデカセギも多いはず。さらに今後帰伯者が増えることを考えれば、それに備えなければならないというのに」と暗い表情を見せる。
 現在、年末に開設予定の援協社会福祉センター三階に事務所を移動するという案も検討されているという。
 島袋代表は、「現状のままでは維持は無理。コロニアに支援をお願いしたい」と話している。
 連絡は、同会事務局(電話11・3399・2404/3754)まで。

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