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文化祭で日本文化三昧=石川県人会=2日で来場250人=陶器販売やワークショップも

ニッケイ新聞 2009年10月22日付け

 ブラジル石川県人会(小堀勇ジェラルド会長)は、17、18日両日、サンパウロ市の同会館で第10回目となる文化祭を開催した。石川県人会で行われている陶芸、絵手紙、川柳、水彩画、生花教室の作品が展示され、二日間で250人以上が来場。日本文化にどっぷりと浸かる週末となったようだ。
 初日午前10時過ぎ、小堀会長が「ごゆっくりお寛ぎください」とあいさつして開会。ブラジル宝生会による謡曲「玉葛」が披露され、豪雨も吹き飛ばすような迫力のある声で、日本文化の世界へと引き込んだ。
 会館裏にある二つの焼き窯で焼かれた個性豊かな大小の器や花瓶、置物は、展示と同時に販売もされ、毎年好評だ。
 陶芸教室は今年で12年目を迎えた。父親が会長を務めた古田敏子エレーナさんが指導をしている。「生徒さんもだんだん上手になってきている。いろんな思いを込めながら作る過程が良いんですよね」と笑み。
 午後からのワークショップでは希望者が集まり、ろくろを回しながらつぎつぎと作品を作り上げる佐藤正行講師の手にじっくりと見入った。
 終日賑やかに行われたのは、絵手紙教室のワークショップ。「へたがいい、へたでいい」を合言葉に、割箸や筆を手に多くの人が体験した。
 最高齢の東海林貢さん(92、満州生まれ)をはじめ、約30人が集まる同教室。展示作品はハガキ、草履型、甲骨文字など趣向豊かでプロ級の腕前だ。ブラジルで絵手紙を広めた神奈川県在住の洋画家・小林美恵さんから送られてきた絵手紙も飾られた。
 「旗振り役」で指導者の石井恵子さん(65、栃木)は、「決まりは書いたらポスト。心が伝わるでしょ。人と人を繋げる温かいものなんです」と魅力を語る。
 メンバーの西谷律子さんの大阪在住の親戚を通じて、日本の絵手紙教室との文通も頻繁に行われて、着々と日伯の友情が育まれているようだ。
 河村徳子池坊ブラジル支部長が12年前から指導している生花は、4人の作品が飾られ、来場者の関心を惹きつけた。
 また会場裏では婦人部青年部の餅搗き会が行われ、即売された。
 「こうやって年に数回、県人たちで集まるのが楽しみなんですよ」と話すのは古参会員の高桑敬さん(80)。現在は息子の住むベロ・オリゾンテとサンパウロ市を行ったり来たりする日々だ。じっくり鑑賞しながら再会を楽しんでいた。
     ◎
 石川県人会では、俳句、謡曲、陶芸、生け花、水彩画、絵手紙の教室を開いている。問合わせは、会館(11・3884・8698)まで。

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