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厚労省=山田課長「さらに日本語必要に」=帰国支援で1万4千人=25日にフォーラム開催

ニッケイ新聞 2009年10月24日付け

 「日本政府は諸外国よりも手厚く日系人対策を実行しています」。厚生労働省職業安定局の外国人雇用対策課、山田雅彦課長(43、愛知県)はCIATE(国外就労者情報援護センター)主催のデカセギ国際フォーラムに参加するために23日来伯して記者会見し、そう強調した。
 日系人向け対策全体の6~7割の予算処置を同課で実施しているという在日ブラジル人にとっては関係深い部署の責任者だ。
 3月に国際的な批判にさらされた、一人あたり30万円の帰国費用を支援する日系人帰国支援策に関し、「二度と入れないような印象を与えてしまったことを申し訳ないと思っている」と率直にあやまった。
 この制度が実施された4月から数えて3年間は再入国できないという制限付きで、この制度の活用を申し込んだ南米日系人は1万4329人(10月2日現在)にも上る。このうち、実際に帰国済なのは1万1124人で、すでに使った支援金は45億円にもなることを明かした。
 これは経済危機の雇用対策特別基金(7000億円)の中で運営されており、5万人規模の帰国を支援する準備があるという。つまり、約200億円もの資金が日系人の帰国につぎ込まれる準備がされている。
 これと対になって実施されているのは「日系人就労準備研修事業」で、10・8億円を使って5千人に再就職に有利になるような日本語教育を3カ月ずつするもの。すでに4千人分のコース予約があり、今年中に想定人数を超える可能性があるという。
 浜松では最初にこの研修事業を行い、修了者の再就職率は5割にもなった。ただし「普通はそんなに高くない」とも。
 つまり日本に残りたい人には日本語教育、帰りたい人には帰国支援という選択肢を与えている。
 「日本に定着するには日本語ができないと厳しい」と繰り返し強調する。雇用主の立場からすれば、同じ職業技能であれば言葉の熟練度が問われるからだ。
 今回の経済危機は最悪であり、その悪化のスピード、ほぼ全地域、全職種にわたって影響が現れており、「八方ふさがり」であるという。その中でも、日系人対策には力を入れているとし、「1990年以来、日本の産業界の底辺を支えてきてくれた人たちを、経済危機になったからといって追い返す訳には行かない」と説明する。
 通訳のいるハローワーク(職業紹介所)を73カ所から126カ所に倍増させ、商業相談にできる列を極力減らすなど、しらみつぶしに可能な対策を講じてきたという。
 「まずは合法的に入ってもらった人の対応をきちんとしないといけない」。欧米諸国に比べて費用を使って手厚い対策をしているという。
 デカセギ国際フォーラムは25日午前9時から文協小講堂で行われる。入場無料。山田課長の特別講演「日系人を取り巻く日本の雇用状勢と日本政府の効用対策」は午前11時半から。

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