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初の試み=3文協合同で=「友祭り」盛大に開催=ふかまるアミザーデ=「若い人を会館に」

ニッケイ新聞 2009年11月12日付け

 サンパウロ市近郊の3文協合同による新しい試みが好スタートを切った。タボン文化体育協会(光谷カルロス会長)、ピラジュサーラ文化体育協会(中村幸男会長)、イタペセリカ文化体育協会(浜田ウンベルト会長)合同による「第1回友(とも)祭り」が8日、タボン・ダ・セーラ市の同文協会館で開催された。心配された雨も会終了まで持ちこたえ、涼しい天気に恵まれて近郊から訪れた大勢の人がのんびりと楽しんだ。
 舞台上で温かい歓声と拍手を受けていたタボン文協太鼓グループは、今年7月に結成されたばかり。初めての発表に緊張感の漂う眼差しで、真剣そのもの。リズミカルに太鼓の音を天空に響かせた。
 8歳から18歳まで、地元の子供が毎週練習に励む。カガ・ケンジくん(10)、光谷ダニエルくん(11)、オガタ・ユウイチくん(13)は充実した表情で、「これからも続けたい。日本文化はかっこいいから好き」と笑顔。
 広々とした運動場では、ずらりと各文協の屋台が並んで壮年、婦人、青年らが大活躍のようす。ヤキソバの前には常に行列ができ一番人気だったようだ。
 ほかにもJポップのユニットやビラ・ソニア盆踊り会による盆踊り、ビンゴなどが行われ祭りを盛り上げた。
 レジストロから視察に訪れた聖南西文化体育連盟の山村敏明会長は、「統合じゃなく、各自の歴史を大事にしながら一緒になってやるのはいいことだね」と評価する。
 タボン文協の80年弱の長い歴史の中で新しい試みに踏み切った光谷会長は、「僕はブラジルで生まれ育ち生活しているけど、僕の大部分は日本人。三世、四世に日本人の持つ文化を伝えていかないと」と同祭へ込めた思いを語る。
 自身も文協の日本語学校で学び育ち、親子三代目の会長を務める光谷さん。「この祭りを通してタボンだけじゃなくて近くの文協と一緒に仲間を集めて友情を育くみ、続けていきたい」。
 中村ピラジュサーラ会長も、「若い人が会館に寄り付かんのだよね。小さい子供がいる親も忙しい。だけど100年続いてきた日本文化を次の世代にも引き継ぎたい」と意気込みを語っていた。

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