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ユニークに生き生きと=交流基金=全伯第15回スピコン=優勝は安楽美幸さん

ニッケイ新聞 2009年11月18日付け

 国際交流基金サンパウロ日本文化センターは、「第15回全伯日本語スピーチコンテスト」を14日、同センターで開催した。全伯から14人の出場者が日頃の成果を披露、思い思いのテーマについて語り、応援に父兄ら約80人が駆けつけた。モラレス松原礼子USP助教授が審査委員長、同センター日本語教育専門家の池津丈司さん、在聖総領事館の高橋祐亮副総領事、パナソニック・ド・ブラジルの篠原一宇副社長、サンパウロ日本人学校の津嶋邦彦教頭が審査委員を務めた。5~7分のスピーチで内容・表現力・発音・聴衆意識度が評価対象。

 1位に輝いたのは、「夢、若いエネルギーが新鮮に伝わってきた」と審査員全員を唸らせた安楽美幸さん(16、三世、サンパウロ)。自身で髪を染めた時の喜びから美容師の道を決意、4月から専門学校に通い始めた。
 「SOHOの飯島さんのようになりたい」と発表で語り、「皆に自分の気持を理解してもらえたのが嬉しい」と喜びを噛み締めた。
 2位に選ばれたのは、3年前に日本語の勉強を始めたという非日系のラファエル・ビエラさん(21、ブラジリア)。「食生活革命―インスタント・ラーメン」という題で発表、ユニークな内容で会場を引き付けた。
 日本文化にあまり関心がない家族はなぜ日本語を勉強するのかと不思議がっていたと明かす。
 「結果を早く家族に伝えたい。きっと理解してくれ、喜んでくれます」と笑顔で話した。
 3位は、「コミュニケーションにメリハリがあった」と評価されたジョルドン・リベイロ・モレイラさん(30、ナタル)。
 「似ている漢字を一緒に勉強します」と自身の漢字学習方法を披露、用意したパネルを見せながら漢字の成り立ちを紹介した。
 「きれいな日本語賞」を獲得したのは、林セシリアさん(20、ベレン)。日本移民100周年のミス日系コンテストに出場し、他の参加者が日本文化や日本語を知らなかったことに疑問を抱き、「誰かが文化を伝えなければ」と訴えた。
 「もし漢字がなかったら」という題で漢字のおもしろさ、重要性を強調したパウロ・デ・タッソ・リベイロ・デ・オリベイラさん(24、ナタル)が、表現技術賞を獲得。「質問への回答が納得のいくものだった」、と審査員の好評を得た。
 奨励賞は、カネフク・ルイーゼさん(24、二世、ポルトアレグレ)。日本での研修体験から「日本の人は、ゴミを家まで持ち帰る習慣があるから道が汚れないのでは」と意見を発表、「発表前は胸がドキドキして、胃もちょっと痛かった」と笑った。
 松原委員長は、「皆発音が良かった。内容も良く調べられていた上、自身の体験談が交えられていた」と称賛したうえで、「もう少し熟考し、結論を深いものにすれば、説得力が加わったのでは」と総評した。

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