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東西南北

ニッケイ新聞 2009年12月18日付け

 スイス在住で、2月にネオナチと見られる青年3人組に暴行され流産したとの狂言事件を起こした、ブラジル籍の弁護士パウラ・オリヴェイラさんに対し、チューリッヒ裁判所が、偽証罪で4250レアルの罰金を言い渡した。もう一度同様の事件を起こせば、更に1万8350レアルの罰金が追徴される。現地警察がパウラさんの供述に不信感を持った事で、自国民を不当に扱っていると批判的発言を行ったブラジル政府には、スイス側から、事実確認がなされる前に騒ぎ立てない様求める丁重な手紙を送付するとも。同国で外国人排斥の動きが強まる中の出来事で、両国関係悪化の可能性もあった事件が、教育的配慮の罰金で済み、本人のパスポートも返還されるというから、温情的な判決との見方が大半。
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 一方、米国人の父親とブラジルの養父とが養育権を争っていたセアン・ゴールドマン君(9)について、リオ連邦裁判所が16日、養育権は父親にありとの判決を下した。米国でゴールドマン氏と結婚したブルーナ・ビアンシさんが、4歳だったセアン君と共に帰伯後、離婚宣言。その後、ブラジル男性と再婚したブルーナさんが死亡したため、実の父と養父の間で養育権が争われていたもの。最初に父親に養育権を認めた判決が出た時は養父が抗告。今回も抗告となる可能性は高いが、ゴールドマン氏は、セアン君を連れ帰るため、17日昼過ぎにリオに到着した。
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 サンパウロ州のオザスコやイタペヴァなどでは、16日の雨で、17日午前中までに6人の死亡が確認された。11月末からの春の雨では、例年の夏の雨以上の29人の死者が出ている。一方、ロライマとパラー州では、降雨がなくて川も干上がり、22市が非常事態宣言中。

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