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ロンドリーナ市制75周年=躍動する新都のいぶき=連載=第1回=全市民の憩いの場に=愛される中川トミ公園

ニッケイ新聞 2009年12月18日付け

 南部3州で3番目の人口51万人を誇る大都市に育った北パラナのロンドリーナ市が10日、市制75周年を迎えた。最初から日本移民がいたこの町での、日系社会の存在感は文句なしに大きい。150万日系社会の1割、パラナ州約15万人の大半が集中する北部の主要都市であり、昨年の百周年では皇太子殿下がご訪問され、近隣のローランジャで盛大な式典が開催されたことは記憶に新しい。ロンドリーナ建都から、現在の躍動に貢献する日系人の一部までを紹介したい。

 同市最大の百年祭記念事業、最後の笠戸丸移民生存者だった中川トミさんの名を冠した公園は、大方の予想を良い意味で裏切って、皇太子殿下ご来伯までに見事に完成した。
 昨年当初は市長ですら「当日までの完成は無理」と認める公式発言をするほどの状況で、総領事館筋をやきもきさせた。吉井篤実行委員長は多くを語らないが、「奇跡の73日間」といわれる損得抜きの地元日系人の協力、突貫工事が奏功したことはいうまでもない。
 三連鳥居と巨大鳥居の4基に加え、豊田豊さんの高さ22メートルのモニュメントが特徴の同公園は、昨年6月22日午前、皇太子殿下のご来場をもって正式に開場した由緒ある場所だ。
 「日本公園は作ったらお終いではありません」。昨年のロンドリーナ百年祭を見事に取り仕切った吉井実行委員長の妻、貴美子さんは11日、ニッケイ新聞の取材に答え、そう強調した。
 同市の市制記念日とナタル(Xマス)を祝って昨年12月から、同公園で無料コンサートが毎晩行われている。今年は市制75周年を記念して特に盛大になっている。
 このイベント実施の中心を担う貴美子さんは、「百周年でみんなが協力して作った公園ですから、ブラジルの中でも特別な場所。去年まいた大事な〃種〃を立派に育てようと思って呼びかけました」と動機を語る。
 市役所や商工会議所はもちろん、日系非日系問わず100人の地元企業家が参加し、建築家4人、30人のスタッフを組んで取り組んだ。
 公園全体に、ロマンチックなXマスの飾り付けがされているが、実はこれは10万本のペットボトルを再利用したもの。地元飲食店業協会に依頼してペットボトルを集め、市教育局の協力で公立校に環境教育の一環として製作に加わってもらった。さらに市民100人のボランティアが吉井財団の建物を作業場にして、3カ月がかりで完成させた労作だという。
 夜になると公園中央部に特設された、南部3州1の高さ41メートルを誇るXマスツリーに電飾が入り、すぐ横の仮設舞台で行われる公演を目当てに集まる市民でいっぱいになる。
 演劇、合唱、バンド、ダンスなどさまざまな出し物が行われる毎晩のコンサートは、11月30日からXマスイブ前日の23日まで行われ、合計5千人の市民が舞台にあがる。市民総出のイベントに育ちつつある。
 「今年披露される出し物の時間枠がいっぱいになってしまって、もう来年の分まで予約が入っています」と貴美子さんは微笑む。
 「去年は町全体で百周年を祝ってくれた。だから、町全体で喜んでもらえる公園になることが大事」と考える。「来年は当市だけでなく、近隣の市町村で講習会をやり、リサイクルのXマスの飾り付けのやり方を広め、ロンドリーナ大都市圏全体に広めていきたい」と意気込む。(続く、深沢正雪記者)

写真=吉井貴美子さん(上)/中川トミ公園に建てられた特大のXマスツリーを見に来た若者たち

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