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今年は日ポ修好150周年=年間通じて多彩な記念行事=キーワードは「出会い・友情・未来」=470年続く交流関係

ニッケイ新聞 2010年1月8日付け

 ブラジルの旧宗主国であり、ヨーロッパの国としては日本と最も古くから関わりのある国、ポルトガル。今年、1860年に日本と修好通商条約を締結してから150周年を迎える。節目の年にあたり、首都リスボン、ポルトなど同国各地で年間を通じた記念行事が計画されている。
 ポルトガルと日本が修好通商条約を締結したのは1860年8月。交流のはじまりはさらに300年余り前、種子島に鉄砲が伝えられた1543年までさかのぼる。
 記念ポスターのキーワードは、「1543出会いEncontro、1860友情Amizade、2010未来Futuro」。ポ国では昨年2月に「日本・ポルトガル修好150周年現地推進委員会」が設立された。委員には、ポルトガル日本友好協会ルイザ・リノ会長、パッソス・カナヴァーロ財団ペドロ・カナヴァーロ会長、グルベンキアン財団ルイ・ヴィラール理事長、ポルトガル日本商工会議所アントニオ・モラォン会頭など、現在までの両国関係に貢献のある同国の団体・個人、在留邦人などが就任している。
 大使館では最初の記念事業として、今月16・17日にリスボン国際見本市会場(FIL)で開催される「2010リスボン国際観光フェア」に参加。
 JETRO(日本貿易振興機構)と共に「日本スペース」(Espaco do Japao)を出展し、訪日観光客誘致を目的とした日本観光の情報提供や、折り紙、書道、法被・打ち掛けの試着などの文化紹介を行う。
 そのほかにも、日本人オペラ歌手による日ポ友好コンサート(3月)、能公演(4月)、裏千家家元訪問による茶道デモンストレーション(7月)、日本太鼓連盟主催和太鼓公演(9月)、日本映画祭(10月)などの行事。10月にはリスボンで日本美術展、11月にはポルトでジャパンウィークが開かれる。
 文化事業に加え、カトリカ大学と大阪大学の大学間交流(2月)や元留学生達による「Japan-Portugal Alumni Group」(JPAG)の設立(3月)、外交セミナー(5月)、長崎大学とポルト大学の新規大学間協定締結(ポルト)など学術・交流関係の事業も計画。8月にはリスボンで記念切手が発行されるほか、海上自衛隊練習艦隊が寄港する予定だ。
 三輪昭駐ポルトガル日本国大使は同大使館ホームページで、「この機会を単なる修好の歴史に留まらず、両国民がこれまでの長い歴史を振り返り、新時代を共に考える好機となることが期待される」と述べている。
 両国の風景をイメージした記念ポスターのデザインは、東京工芸大学出身でフランス在住のアートアニメーター、Amica(久保亜美香)さんによるもの。また、記念のロゴマークはポ国在留邦人の山管志保子さんのイメージ(日の丸=日本、大航海時代=ポルトガル)をリスボン大学芸術学部学生のアリス・ネトさんがロゴの形にしたもの。Amicaさんの最終調整を経て完成した。
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 その他の記念行事、開催日程は次の通り。
5月=久保修 切り絵画家レクデモ。6月=MOA児童絵画展、「旅」写真展。9月=「南蛮屏風」(絶版)の出版(リスボン)、日本映画祭・カナヴァーロ財団日本週間(サンタレン)、ファミローザハーモニー公演。10月=東京工芸大学日本最新メディア文化紹介事業。12月=天皇誕生日祝賀レセプション(兼150周年記念レセプション)(リスボンの大使公邸)

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