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老ク連=全老連が上原前事務局長を表彰=18年間の永年勤続称え=「会館建設が思い出」

ニッケイ新聞 2010年1月14日付け

 ブラジル日系老人クラブ連合会(老ク連、重岡康人会長)で18年間事務局長を務め、昨年6月末で退職した上原玲子さん(68、長野)が、このたび日本の老人クラブ組織・全国老人クラブ連合会(全老連・斉藤十朗会長)から永年勤続表彰された。
 上原さんは昨年10月29、30日に奈良県の「なら100年会館」で行われた「第38回全国老人クラブ大会」に参加し、2日目の式典の中で永年勤続を代表して斉藤会長から直接賞状を受け取った。
 勤続年数が一番長く、最も遠方の受賞者ということで該当者18人の代表として登壇、賞状を受け取った。「受賞は役員だけ、と思っていたので嬉しい」と語った。
 上原さんは長野県埴科郡坂城町出身。1964年1月に「さくら丸」でアチバイアに入植。その後、同地で26年間、花や果物の栽培に携わった。その後、旅行社で翻訳などの仕事をしている時に、老ク連(真鍋次郎会長=当時)から声が掛かった。
 91年4月に就任後は、1人で受付や掃除、理事会の準備まで行った。
 当時、老ク連は会館がなく、総会や社交ダンスなどは青森県人会館を使用していた。「集まる場所が欲しい」という声が会員から上がったことを受け、93年頃から同連合会館設立のため、50万米ドルを目標に建設運動が始まった。
 日系という名が付く会社には全て手紙を書き、上原さんも歩き回った。 「夏の暑い中、クタクタになりましたが、一番の思い出です」
 全伯、そして全老連からの寄付が集まり、サロンと宿舎付きの会館が完成、97年10月、落成式を迎えた。現在、多い時には毎日90人が出入りする老人達の拠り所となっている。
 上原さんは18年間を振り返り、「家と事務所を往復する毎日でした。これからは一会員として参加するつもりです」とほっとした様子で語った。
 なお同大会では、重岡会長に対して、老人クラブの育成に尽力した功績で育成功労者賞が贈られた。同賞は現在まで杉本正相談役と朝枝定顧問が受賞している。

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