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伯剣道連盟に波紋広がる=パ剣連盟提訴に踏み切る=08年来のやり方に不満=収支に疑問と監査請求

ニッケイ新聞 2010年2月9日付け

 ブラジル剣道連盟(CBK、児島修徳会長)の内部で、ここ数年来、対立が深まっている。反対陣営最先鋒のパウリスタ剣道連盟(FPK、コンスタンチーノ・メシーニス会長)は、7日にピニェイロスの同連盟事務所で、サンパウロ州各支部の代表者や高段剣士を集めて臨時会議を開き、CBKを相手取り訴訟を起こしている旨が報告された。昨年4月に行われたCBKの08年会計報告をFPKが承認しなかったことが表面上の発端となっているが、数年前からの人事上のいざこざが背景としてあったとの声もあり、根の深い対立となっているようだ。

 発端となったのは09年4月のCBK総会の08年収支報告で、18万8千レアルという予算額に対して、実際は42万3千レも出費があり、08年12月時点での約20万レ以上の赤字を計上した。FPK幹部らは「出費の中にはCBK名義のクレジット・カードで支払われた経費も含まれている疑いがある」と承認しなかった。
 CBKは同年度の収支報告の決議をとるために11月4日に臨時総会を招集したが、10月16日付けのある官報に招集の旨を掲載したのみで、FPKやブラジリア支部には文書で通知をせず、出席できなかった。主要2支部が不在のまま、新たにレシフェ、クイアバなどの7支部を加盟させることを決議した。支部数が増えたことで、以前はFPKとブラジリアが主導権を握っていた議決権のバランスが代わり、対抗勢力が生まれた。
 3日後の7日、再度臨時総会が開かれ、今度はFPKとブラジリア支部も出席、08年の収支報告が議題にあがり、新対抗勢力の委任状によって賛成多数で承認された。
 FPKが問題としたのは、議決権のバランスを変えた先の臨時総会に招集がなかったことや、支部を開く条件で、「定款に反することが決議された」と主張している。
 これらを不服としてFPKはCBKを相手取り訴訟を起こしたほか、同月17日の会議で会計監査の要求を決め、CBKの蛯原忠男理事と元CBKの玉置正会長に相談を持ちかけ、20日前後、児島会長と面会をした。
 FPK関係者は、児島会長は監査をすると口頭で約束したが未だに報告はないという。

「私は防御しただけ」=児島会長来社し弁明

 児島会長と大政武志会計理事は8日午後、ニッケイ新聞に来社して質問に答え、数年前から人事的ないざこざがあり、それがこのような形で表面化したとし、「昨年、私を解任する動きがあったので、見方の支部数を増やして防御する必要があった。それに新しい支部は2~3年前から理事会では承認されていたところばかりで、今回は臨時総会で正式にしただけなので、新支部にすること自体はFPKの幹部も知っていたこと」と弁明した。
 大政理事は、「私は20年も30年も前から剣道連盟の会計もやってきた。一度も不正を起こしたことはない。きちんと説明するつもり。2月中には報告できるだろう」と答えた。

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