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山形県人会=総会=押切フラヴィオ氏が新会長に=会員一丸の運営目指す=国井氏、今回も涙飲む

ニッケイ新聞 2010年2月9日付け

 ブラジル山形県人会は「第57回定期総会」を7日午後、同県人会館で開き、6期(12年)続いた荒木克哉会長が引退、押切フラヴィオ氏が新会長に就任した。
 押切氏は71歳。17歳の時、山形県から叔父の押切他男氏(故人、トメアスー総合農業協同組合元会長)を頼り移住、3年後に出聖した。FECAPの経済学部、FMUの法律学科を卒業後、三菱商事、CBC(三菱重工の現地子会社)に勤務。
 97年からサンパウロ市で法律事務所を経営する。73年にブラジル国籍を取得している。
 就任あいさつで「経験を活かし、会のために努力したい。会員の意志による盛り立てを期待し、意見、支援を頂きたい」と会員が一丸となった運営を強調した。
 会長選挙は会員からの推薦があった押切氏と国井精氏との一騎打ちとなった。投票の結果、押切氏25票、国井氏11票。
 国井氏は2008年の定期総会で会長に推薦され、一度は決まりかけたものの、辞意を表明しつつも土壇場で続投を宣言した荒木元会長の出馬により、立候補を辞退した経緯がある。
 県や羽黒高校との交渉実績から、推す声も多かったが、今回も涙を飲む形となった。
 副会長には、斉藤弘(第1)、篠原俊巳(第2)、佐藤マリオ(第3)がそれぞれ就任。監査役には、上村誠、中川良子、中島光の3氏が選ばれた。会計理事や補充監査は後日決定される。
 顧問には、荒木元会長、渡部史朗元副会長が決まった。国井氏も推薦されたが、本人の辞退により、見送られた。
 総会は、グァタパラやロンドリーナなど地方会員も含めた約40人が出席、田中武美理事の進行によって進められた。
 09年の事業報告では、5、9月に行われた支部長会議、「東北6県北海道演芸会」(9月)「山形民謡コンクール」(11月)の参加のほか、婦人会、青年会の活動内容が報告された。
 会計報告では、前年度繰越金5903レアルを含めた7万200レの収入に対し、6万9734レの支出があり、6369レが本年度に繰り越されることが報告された。 事業計画案では、例年の事業に加え、100人近くいる元県費留学生・研修生の連携も視野に入れた「県人会の将来についての検討委員会」の設立についても提案がなされた。
 本年度収支に関しては、8万2600レであることが発表され、承認された。
 同県人会は550人の会員がいるが、会費を納入しているのは約半数に留まっていることが議題に上がり、「除名すべきだ」「電話で催促してみては」「辞めさせることはない」など様々な意見が出されたが、新執行部の課題として先送りされることとなった。
 最後には、県民歌を斉唱、吉村美栄子県知事による「賀詞」が75歳以上の14会員に贈られた。
 続いて、新年祝賀会が開かれ、新会長を迎えた県人会の新たなスタートを喜ぶ声で溢れていた。

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