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荒井貢さん会長に就任=伝統のブラジル川柳社で

ニッケイ新聞 2010年2月25日付け

 イグアッペ市在住の荒井貢さん(あらい・みつぎ、76)が1月にブラジル川柳社の会長に就任した。荒井さんの柳名は花生(はないき)である。
 栞(しおり)夫人との間に3男1女に恵まれ、一人の孫がいる。荒井さんは、山形県出身で1959年、25歳の時、家族3人でブラジルに渡り、イグアッペ市から約30キロ離れたイチミリンに入植した。県立置玉(おきたま)農業高校時代はスキーや陸上選手として活躍するスポーツマンだった。
 今も毎日曜日、欠かさず70キロ離れたレジストロのRBBC球場で野球の練習に励む。軽々とグランドを駆け巡る身のこなしは、若々しく年齢を感じさせない。
 荒井さんが川柳を始めたのは、今から約20年前で、2006年から全伯川柳大会の特定選者を務めている。「川柳は俳句と違い、季語にとらわれず、思った事をそのまま表せるのが好きです」と荒井さんは言う。
 ブラジル川柳社には、サンパウロ新生吟社、ロンドリーナ親和川柳社、ロンドリーナ女流句会、グアラサイ新光吟会、オザスコ聖西吟社、ドラセーナ吟社、クリチーバ川柳会、アプカラナ双葉川柳会、ローランジア川柳会、ヴィラ・フォルモーザ柳和会、レジストロ茶の花句(ちゃのはなくかい)会支部が所属している大所帯である。
 荒井さんには全伯川柳大会で幾つもの入選作があるが、その中から3句選んでみた。「癌を病む父は家族の嘘も飲み」「庇い合うことで尊い和が育ち」「開拓の成果が実る百年目」。
 荒井さんの今後の活躍を期待する。(金子国栄さん通信)

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