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世界と競え!長縄跳び=パナソニック主催=日本行きの切符かけ=悔し涙流す子供も

ニッケイ新聞 2010年2月26日付け

 縄跳びを跳んで日本へ行こう――! パナソニック株式会社が主催する、長縄跳び「ロープ・ジャンプEX」が4日から7日にかけてサンパウロ市の小学校で行われ、9校の児童156人が挑戦した。

 この企画は、遊びの学校「パナソニック・キッズスクール」の取り組みの一環で、日本をはじめ、中国やベトナム、カナダやオランダなど世界10カ国で実施されている。海外からは上位4チームが、3月に東京で行われる全国大会に招待される。
 ヴィラ・マリアーナ地区の小学校「クリストレイ小学校」では6日、3チームが日本行きの切符をかけ挑戦した。会場の体育館には出場選手の父兄や友人ら100人以上が駆けつけ、盛り上がりをみせていた。
 同競技のルールは、跳ぶ人は10人以上が条件。人数×跳んだ回数が得点となる。3分間のうち3回挑戦でき、一番良かった得点が採用される。
 競技が始まると、「ウン、ドイス、トレス!」と、子ども達は真剣な表情で、息を合わせてリズミカルに跳び続けた。裸足の子や、足を左右順番に上げる子もおり、チームによって工夫が見られた。
 観客からは手拍子や大きな歓声が送られ、会場全体が応援する雰囲気に。競技が終わると成績がその場で発表され、手を握って祈る子、悔しくて泣く子、また、親子で喜ぶ姿も見られた。
 子ども達の様子をじっと見ていた、同プロジェクトリーダーの宮崎謙彦さん(40、愛媛)は「ブラジル人は運動能力が高い。もっと練習を積めば更に記録も伸びるかも」と感想をもらす。
 翌日、7日には3校が挑戦し、クリストレイ小学校の選抜チーム「Saci Perere」が18人で36回跳び、648点で優勝を飾った。しかし、世界4位のドイツ(1196点)には届かず、全国大会進出にはならなかった。
 本番では49回を跳んだカステロ・ブランコ校のウラツカ・カミーラ・アヤちゃん(12、四世)は「練習では70回くらい跳べたのに」と残念がったが、「がっかりしたけど、みんなが仲良くなれて楽しかった」と笑顔をみせた。
 同校で体育を指導するジュリオ・クルス教師(44)は、「今日はみんな、神経質になっていた。もっと出来たのに」と悔しがり、「だけど練習もよく頑張ったし、子ども達から3分間で大きなプレゼントをもらった」と話していた。

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