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〝大人の隠れ家〟バイレ・エリカ=今年めでたく15周年=エリカさん「みんなが来てくれ幸せ」

ニッケイ新聞 2010年2月27日付け

 広いホールに鳴り響く軽快な音楽、それに合わせて、自分に合ったスタイルで優雅に踊りを楽しむ人達、参加者はほとんどが年配の男女で、さながら〃大人の隠れ家〃。そんな光景が広がるのは、リベルダーデの愛知県人会館で開かれている「バイレ・エリカ・カワハシ」だ。
 コロニアではお馴染みのバイレ・エリカ。94年10月に始まり、各地の文協会館や県人会会館、レストラン「なんでもや」で開催されていたが、1月23日から愛知県人会館に会場を替えた。この日、15周年を記念してボーロ・カットも行われ、踊りの熱気と合わせ盛り上がりを見せた一夜となった。
 主催者の川橋エリカさんが壇上でシンセサイザーを演奏し、軽快な音楽を紡ぎ出す。それにあわせて約350人の参加者はドレスやスーツ、また普段着の人など思い思いの格好、踊り方でダンスを楽しんでいた。
 慣れたステップで一際目を引いたのが寺畑侃さん(ただし、81、和歌山)と高野淳子さん(72、二世)のペア。
 寺畑さんは8歳で渡伯し、1年後にサンパウロ州ポンペイアのジャクチンガ移住地に入植、16歳まで同地で暮した。
 22歳から踊りを始め、いまでは毎週末、バイレを楽しむ。少年時代から陸上で鍛えた足腰は今でも健在だ。「踊りのないフェスタには行きたくない。エリカのところは始まった頃から来ているよ。80代の友達が少ないのが寂しいが、歩けるうちは踊りたいね」と元気溌剌。
 一方、高野さんはサントアマーロやグァルーリョスなどの文協会館で毎週踊る。94年に夫を亡くし、しばらくしてダンスを始めた。今では生き甲斐になっているそう。
 「体にも良いし、気が晴れるし、友達も増え、良いことばかりです」と笑顔で答えた。
 川橋さんは「15年間、好きなことをして、みんなが来てくれる。これ以上の幸せはない。これを機に、愛知県人会で新たなスタートを切れて嬉しい」と感想を述べていた。

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