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街の入り口に大鳥居完成=〝柿の里〟ピエダーデ=地域観光活性化に期待=落成式に観光大臣も

ニッケイ新聞 2010年3月2日付け

 鳥居に観光業活性化の期待を込めて―。1930年代から約500家族の日本移民が入植したピエダーデ市は、一昨年のブラジル日本移民百周年を記念して、町の入り口に鳥居を建設した。建設費は12万4千レアルで、観光省も支援を行った。2月9日、ピエダーデ文化体育協会会館で落成式が開催され、ルイス・バレット観光大臣も出席した。
 落成式にはバレット大臣、同市のジェレミアス・リベイロ・ピント市長、ゴドフレッド・ウェルネル副市長、ピエダーデ文協の弘末武士会長、宮沢ジョルジ副会長、石橋テツロウ副会長、中島ヒデオ副会長ら約150人が出席した。
 バレット大臣は、「サンパウロ州地方部の観光業にも力を注いでいく」と話し「同市が新たな観光名所として、より多くの観光客を引きつけることにつながれば」と期待を込めた。
 ピント市長は、「ピエダーデ市の日系移民の功績を称えるモニュメントを完成できて嬉しい」とあいさつした。
 建設された鳥居は、高さ14・60メートル、幅16・21メートル。文協会館の目の前、同市の入り口となる道路をまたいで建てられた。頑丈なものを作ろうと、素材には鉄が使用された。
 総工費は約12万4千レアルで、観光省が8万8千レ、同市が3万6千レを支出した。観光省からの支援にあたっては、上田雅三連邦最高裁判事、飯星ワルテル連邦下議らが尽力したという。
 また、鳥居から歩いていける距離に日本庭園を造ることも計画されており、すでに観光省から13万レが提供されることが決定している。
 同プロジェクトは、前市長により一昨年に始められたもの。同地文協の弘末会長は「やっと完成したことを皆喜んでいる」と話す。文協側では、「ブラジル日本移民百周年」と刻んだ石碑の設置を準備している。
 柿の生産が有名な同地は、柿が一番熟れる5、6月の時期に多くの観光客の来訪が見込まれる。弘末会長は、「5月には、文協と市共催の柿祭りも開催されます。鳥居ができた今年は、より多くの人に訪れてもらいたい」と笑顔で語った。

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