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■訃報■野口浩

ニッケイ新聞 2010年3月2日付け

 サンパウロ新聞元編集長、日伯叢書企画出版代表の野口浩さんが肺炎のため、2月27日午前11時ごろ、サンパウロ市のバンデイランテス病院で亡くなり、翌28日午前、ゴンゴーニャス墓地で葬儀が行われた。享年72歳。
 胃ガン再発のため1月18日から入院、2月12日に手術したが肺炎を併発し、以後約2週間、UTIで治療を受け一進一退を繰り返していた。
 1938年1月、東京都深川区生まれ。バストスに入植する養蚕移民の構成家族として、すぐに帰国するつもりで大学を休学して19歳で57年にさんとす丸で渡伯。60年からサンパウロ新聞に入社、80年代に社会部次長、93年から94年ごろに編集長を務め、95年に退社した。
 以後、日伯毎日新聞の企画室長となり、記念誌や文芸書、自分史の編集出版業務をはじめた。98年、日毎紙がパウリスタ新聞と合併したのを機に独立し、以後、日毎叢書企画出版として数々の良書編纂を手がけた。
 代表作は、コロニア文芸賞を受賞した次の3作、『故郷なき郷愁』(馬場兼介著、ニッケイ新聞刊、99年)、『ブラジル沖縄県人移民史』(同90年史、同県人会、00年)、『句集・朝蔭雑詠選集』(佐藤牛童子選、02年)など。この他、『ブラジル歳時記』(佐藤牛童子編著、06年)もある。
 初七日は6日午後3時からサンパウロ市ジョン・メンデス広場のサンゴンサーロ教会で行われる。

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