ホーム | 連載 | 2010年 | 二世とニッポン語問題=―コロニアの良識にうったえる―=アンドウ・ゼンパチ | 二世とニッポン語問題=コロニアの良識にうったえる=アンドウ・ゼンパチ=第12回=外国語教育令の盲点

二世とニッポン語問題=コロニアの良識にうったえる=アンドウ・ゼンパチ=第12回=外国語教育令の盲点

ニッケイ新聞 2010年3月3日付け

 外国語教育令は、外国語学校へはいる年を14歳以上とし、外国人が先生になることを禁じておきながら、肝心の教科書ついて、きびしい規定がない。これは移民の子孫の同化促進を目的として定められた法令としては、大きな盲点である。
 現在、コロニアで使われているニッポン語教科書は、すべてニッポンの小学校で使用されているもので、二世のブラジルへの同化という点を考慮するとき、これはけっして適当な教科書ではない。
 さらにその中には、好ましからざるものさえある。このような教科書が使用されているかぎり、ブラジルへの同化という目的からはずれて、ニッポン化への逆行が促されることになり、年齢を制限したことなど、まったく意味のないものになっている。
 それゆえ、むしろ外国語学校入学の年齢は、グルーポ入学と同じにして、そのかわりに、二世のブラジル化を促すために、役だつニッポン語の教科書を作って、これを使うようにさせる方がはるかに賢明なやり方である。
 また先生にしても、ニッポン語を教えうるブラジル人など、ほとんどいないのだから、どこの学校でも資格のないニッポン人が先生になっているのだが、かれらの多くはグルーポ程度のポルトガル語も知らぬし、ブラジルの歴史も地理なども知っていない。
 これはニッポン語学校の先生という職業が合法的なものでないために、希望者が少ないことに原因している。子どもたちは、このような非合法な学校で、不適当な教科書によって、ブラジルをよく知らない先生から、おびえながらニッポン語を習っているのである。
 二世向きのいい教科書ができた上にそれによって、ニッポン語を教えるのに適当な先生がえられれば、ますます、年齢の制限などする必要はないのである。このような先生をつくるためには、ニッポン人でも、ポルトガル語、ブラジル歴史・地理などの試験に合格したものは、ニッポン語学校の先生になれる検定制度が全般的に行われることが望ましい。
 以上、諸種の点からみて、現行の外国語教育令は、改正されるべきものであると思う。

image_print

こちらの記事もどうぞ