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ジャカレイ文協=JICA青年に感謝=日本伝えた斉藤さん

ニッケイ新聞 2010年3月6日付け

 ジャカレイ日伯文化協会(鹿毛俊晴会長)の日本語学校は、これまで3期にわたりJICA青年ボランティア派遣を受け、教育の質の向上を図ってきた。3期目となる斉藤弘子さん(青森、31)が7月に2年間の任期満了を迎えるにあたり、鹿毛会長と馬場敏雄担当が来社してその尽力に感謝を示した。
 同校の生徒数は約60人いるが、教師は2人。斉藤さんは08年7月に着任し、日本での塾講師という経験を活かして授業に力を注いできた。
 斉藤さんは「授業の中では、自然と文化を伝えられるよう工夫を凝らした」と振り返る。雛祭りやこどもの日、七夕などの記念日には季節感溢れる遊びを紹介し、生徒の興味を引きつけてきた。
 斉藤さんが特に力を入れていると話すのは、生徒が出し物を行う文協主催の敬老会。昨年はその発表に向けて、斉藤さんが同地で初めてとなるYOSAKOIソーランを教えた。「衣装の準備に、どの家庭でも家族総出で取り組んでくれた」と笑顔を見せる。
 今年は4月の敬老会に向け、マツリダンスに挑戦している。「残り数カ月、まだまだイベントを盛り上げていきたい。子供たちに伝えられることを残していきたい」との思いを語った。
 その様子を見てきた鹿毛会長と馬場さんは、「生徒は言葉以上に文化を教わっている点が大きい。二世の教師が重要であるのと同様、やはり日本の〝匂い〟も必要」と注目する。
 そういった趣向が凝らされた授業、イベントには遠方から訪れる人が増え、生徒の親など大人も多く参加するようになり「家族同士のつながりも深くなった」と地元コロニアの変化を喜ぶ。
 二人は「斉藤さんのような教師がいなくなるのが大変心配。次の教師もぜひ派遣して欲しい」との希望を強調していた。

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