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援協総合診療所=ドトール南の『薬の知識』=正しい知識で健康を!=(1)

ニッケイ新聞 2010年3月16日付け

 「薬は健康に戻るためのものですが、正しく飲むことが必要です。そのためには知識を身に付けて欲しい」――。サンパウロ日伯援護協会総合診療所の南利実(みなみ・としみ)内科医は、「薬を正しく飲んでいない人が多いんですよ」と顔をしかめて指摘する。読者が正しい知識を知り、最良の状態で病気を治す一助となることを願い、南医師の寄稿による「薬講座」を本ページで掲載する。自分の判断で薬を割って飲んだり、医者から言われた通りに飲まなかったり、複数の薬を一緒に飲んだりしている人だけでなく、誰もが正しい知識を身に付けて健康に――。(編集部)

薬の知識

 多くの人たちが色々な薬を使用しています。その薬のお陰で症状を軽くし、痛みを取り、私たちの健康な長寿の柱となっています。と同時に、私たちの体の中に科学物質で構成した薬物を入れています。たとえよく効く薬であっても、私たちの身体内では異物ですから、決して無害だとは言えません。
 それならば、薬効を大きく、副作用を小さくと、今回はその薬を使用する上で重要なことを解説します。
 この説明は「1部・薬の知識、薬の副作用、剤形、薬の使用法」「2部・薬の相互作用」の二つに分けました。

【1部・薬の知識、薬の副作用、剤形、薬の使用法】

 現在、ブラジル国内には、約1500種類の薬品が、5000種類の市販医薬品として、様々な名前で販売されています。市販薬の種類が増えるのは、世界的傾向でありますし、当然のこと、製薬会社が新薬の販売に力を入れていると考えても良いでしょう。また医師や病院は対応が広がることから、様々な病気に対して有効な治療ができます。
 基本的には、私たちが入手できる医薬品は、2グループに分けられます。
1、一般用医薬品
 一般用医薬品は、ラジオやテレビで多いに宣伝し、処方なしで、また自分の判断で直接、薬局やスーパーなどで購入できる薬品です。たとえば、流行性感冒用の風邪薬や咳止め用シロップ、ビタミン剤などです。
 これらの市販薬には副作用が少いと表示されています。しかし、大ざっぱに申しますと、副作用の全くない薬はありません。
 これらの市販薬であっても、用法や用量によっては、中毒し、危険にさらしたと言うケースがよくあります。特に衰弱した人、お年寄りの方や子供が多いようです。そのため、使用する前に薬剤師に相談するか、薬の使用説明書を納得するまで読むことが必要です。(つづく)

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