ホーム | 日系社会ニュース | 文協=ひばりフィルムコンサートが白紙に=疑問符ついた企画・実行力=協賛企業、団体集まらず=余りにお粗末な結果に…

文協=ひばりフィルムコンサートが白紙に=疑問符ついた企画・実行力=協賛企業、団体集まらず=余りにお粗末な結果に…

ニッケイ新聞 2010年3月17日付け

 文協の企画・実行力に大きな疑問符――。ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)が8月の実施に向け、20万レアル(約1千万円)の予算を組んだ「美空ひばりフィルムコンサート・ブラジル公演」が資金調達の見込みが立たず、白紙撤回されたことが分かった。今月10日の常任理事会で決議され、メール文書で本紙に報告があった。昨年12月の評議員会で多くの反対意見を押し切る形で強硬採決、日本の週刊誌『週刊新潮』にも記事が掲載され、コロニア巷間のみならず日本側でも話題をふりまいていた。強引に企画を推し進めた一部幹部の見込みの甘さが露呈された形だ。

 文協が作成した11日付け文書(メール送信は15日)によれば、木多会長のサイン付きで「3月10日を期限として行われてきた、本企画実施のための資金調達の予算目標達成は現状では非常に難しいとの判断に基づき、当初の企画通りの実施は、この期限を持って(ママ)、打ち切ることとする」としている。
 コロニアで歌手活動を行う中平マリ子氏が持ち込んだ同企画を後押し、推進した頃末アンドレ実行委員長のサインはない。
 文協事務局によれば、木多会長を始めとする幹部らが20以上の企業、団体を回ったという。いくつかの企業から協力金の申し出があったというが、その具体的な額については、同日の常任理事会で広報しないことが確認されたことから、「発表は差し控えたい」(同事務局)としている。
 文書は続けて、「しかし本企画実現に寄せる日系団体及びブラジルにいる多くの美空ひばりファンの期待に応じるためにも、本企画実施取り組みの変更可能性をひばりプロダクッションと協議する」(ママ)としている。
 記者会見を行う予定はないという。

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