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「サンバ体験」楽しむ=サンパウロ市ホテルで=第1回講習会=打楽器演奏、踊りも

2006年2月1日(水)

 百周祭に向けて、「ジャポネスもサンバ(サンバの振動を心で感じよう)」プロジェクトの第一回講習会「サンバ体験の一日」が一月二十八日、サンパウロ市のブルーツリーパウリスタで開催され、定員を上回る約六十人が参加し、躍動感あふれる一日を過ごした。主催は同ホテルとブンバ出版、協力はサンパウロ・ツーリズモ(市観光局)。
 エスコーラ・デ・サンバ「ペルーシェ」校に所属する打楽器隊とダンサーら約二十人が講師となった。
 打楽器隊指揮者のメストレ・マルキーニョ(28)は各楽器を実演させながら役割を解説。第一から第三スルド(大太鼓)、タンボリン、カイシャ(小太鼓)、レピニッキ(深胴小太鼓)、四連アゴゴ(カウベル)、ショカーリョに加え、板に張ったバネをドライバーのようなもので擦って音を出すヘコヘコについて「チーズ卸し器みたいでしょ」などとユーモラスに語った。
 昼食をはさんでミニショーや、サンビスタからの直接指導を受けた。恐る恐る楽器を叩く男性や、足腰を小刻みに揺らす独特の動きをするサンバ・ノ・ペに挑戦し、軽やかに身体を動かす楽しそうな女性たちの姿も数多くみられた。
 ニッケイ新聞の取材に対して、メストレは「サンバに秘密はない。日本人は練習が好きだから、すぐ上手くなる。もっとこのような機会を作ってサンバに親しみ、練習すれば上達は早い」と誉めた。
 三和学園で一年ほど前からサンバの授業を受けているという御園幸恵さん(東京都)は、初心者とは思えない足裁きをみせる。「日本人は一人一人だと気後れすることがあるけど、こんな風にみんなでやるとサンバしやすい」と感想をのべた。
 平石麻美子さん(32、横浜)も「ダンサーのお尻の形の良さに見とれてしまいました」と笑う。百周年祭典協会のイベント委員会の小原彰コーディネーター(65、二世)は、「ブラジル文化に触れる素晴らしい機会だ。本当にすごい。百年祭にはぜひともサンバが必要だ」と熱く語った。
 日本語センター理事、中田みちえさん(65)も「最初、カーニバルは猥褻なイメージで、自分たちは垣根の向こうで見ている感じだった」との先入観を分析しつつ、実際に参加した感想を問うと「やっぱり『同じアホなら踊らにゃ損だ』と思い直した。百周年に日本人がたくさん踊ったら面白いでしょうね」と微笑む。
 イベントの専門家、JETROサンパウロの桜井悌司所長も積極的に楽器や踊りに挑戦。「サンバはとても良い観光資源になる。サンバ学校巡りや、エンサイオ(練習)をみるツアーもいい」と評価した。
 最後に、ペルーシェ校のテーマ曲の合わせて、全員がおぼえたての楽器や踊りを披露し、サンバの魅力を全身で味わった。
 ブンバ出版の細川多美子編集長は「サンバは奥が深くて文化的な価値が高いということを、楽しみながら身体で感じてほしかった」と語った。二月二十四日から始まるカーニバル本番の前に、次回はサンバ学校(練習)見学ツアーも予定している。

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