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日伯マンガの神様が共演か=「アトムとモニカのコラボしたい」=手塚プロの松谷社長来伯=ソウザ氏「4月に詳細発表する」

ニッケイ新聞 2010年3月19日付け

 「アトムとモニカの展覧会ができたら」――。このたび「コ・フェスタ」(経済産業省主催)の副実行委員長として初来伯した松谷孝征手塚プロダクション代表取締役社長が、ニッケイ新聞の取材に対し、日伯の〃マンガの神様〃の共演にむけて滞在中に話を進める意向であることを語った。マウリシオ・デ・ソウザ氏は、「4月に詳細が発表できるはず」と2月の本紙取材に答えており、手塚治虫氏の死から20年以上の月日を経て巨匠二人の約束が実現しようとしている。※コ・フェスタは今月11~14日にサンパウロ市イビラプエラ公園ビエナル館で催された。

 「♪~空を越えてラララ夢の彼方、ゆくぞアトム~」。1963年に国産アニメとしては初めてテレビを通し、お茶の間に流れた鉄腕アトム。
 「アニメーターもおらず、時間も金もなくて、『週30分やるのは不可能』といわれる中で作られた」(松谷氏)という手塚の渾身の作品は、当時世界的にも珍しい4年以上の大ヒットとなった。そして、ブラジルはもちろん世界各国で放映されることとなった。
 「アトムとモニカの展覧会なんかしたいね」と松谷氏。今来伯中に、ブラジルを代表する漫画家ソウザ氏のマンガ『モニカの仲間(Turma da Monica)』のモニカとのコラボレーションを、ソウザ側に提案するつもりだ。
 手塚は生前、ソウザ氏と二人でコラボレーションする約束をしていた。松谷氏は、「マウリシオさんとは僕も30年近く知り合い。手塚との約束を何かの形で実現したい」と語る。
 ソウザ氏は、手塚のキャラクターを使って作品を描くなどを提案しているようだ。2008年日本移民百周年でチカラとケイカというマスコットを作り日系社会を盛り上げたことは記憶に新しい。
 手塚の死後20年以上が経ち、機は熟した。日伯交流をさらに盛り上げるような大ニュースが聞ける日もそう遠くはなさそうだ。

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