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有言実行型の政治目指す=初の日系上議=柳井ジョルジ氏=ブラジリアで就任式=「日本との関係も重要」

ニッケイ新聞 2010年5月7日付け

 ブラジル日系社会の歴史に新たな1ページ――。ブラジリアの上院議会で6日午後3時、日系人として初の連邦上院議員となったマット・グロッソ州の柳井ジョルジ義昭氏(DEM、61、二世)の就任式が行われた。上院議員(任期8年)は、各州3人が輩出され全伯81人。同州選出の故ジョナス・ピニェイロ上院議員の死去により、繰り上げ就任していた第1補充のジルベルト・ゴエルネル上院議員の代理として、同職を務めることが今年1月に決まっていた。今年10月の選挙までの123日間が任期。

 就任のあいさつで柳井氏は、「ブラジルが抱える教育、治安、衛生問題を改善するため働きたい」とし、日本政府、国際協力機構(JICA)のブラジルに対する協力に感謝の言葉を述べ、「日本とブラジルは世界に寄与できるような関係を作っていくべき」と両国の将来像にも触れた後、「1度言ったことは守る。でないと、信用を失うことになる」と〃有言実行〃型の政治を目指すことを宣言した。
 1949年、北パラナ州バンテイランテス市生まれ。パラナ連邦大学医学部を卒業後、79年にマット・グロッソ州シノピ市で産院を開業。91~94年には、同州議員を務めた。
 柳井上議の母・綾子さん(87、広島)は、ニッケイ新聞の取材に「親孝行でおとなしい子だったので、政治家になるなんて想像もしなかった」と驚きながらも喜ぶ。
 今月3日には、島内憲在ブラジル日本国全権大使は公邸に招いて祝福の言葉を贈り、「日伯関係強化の必要性を感激とともに感じることができた」と話している。
 「政治に倫理を。日系人の代表を国政に送るべき」と主張してきたサンパウロ援護協会の森口イナシオ会長は、「誠にめでたいこと。州議、下議ともにこれからどんどん日系人がブラジルの政治に参加していくべき。日系人の誇りを持って、立派な仕事をして欲しい」とエールを贈っている。

本紙共催の祝賀会は7日

 柳井氏の就任祝賀カクテルパーティーが7日午後7時から、文協貴賓室(R. Sao Joaquim, 381)で開かれる。入場無料。
 文協、援協、県連、日伯文化連盟の4日系団体と伯日連邦議員グループ(会長=ウィリアン・ウー下議)、ニッケイ新聞、JORNAL NIPPAKの共催。

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