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人文研『今昔物語』=サ紙松本記者が講演=「記録の大切さ、伝えたい」

ニッケイ新聞 2010年5月21日付け

 サンパウロ人文科学研究所(鈴木正威所長)は4月15日午後7時から、文協ビル1階で「コロニア今昔物語」を開催した。第4回目。
 『肖像写真から見たコロニア』と題し、サンパウロ新聞社の松本浩治記者を講師に迎えた。
 当日は25人ほどの来場者があり、「松本さんの写真は土を愛する移民を実に良く映している。どうぞご覧下さい」との鈴木所長のあいさつの後、スクリーンには移民の姿が映し出された。
 先輩記者、平野移住地を訪れる一行、弓場農場で御飯に食らいつく髭面の男性、血液検査に驚くおじいさん、今ではほとんど見られないカフェの天日場など、選りすぐりの写真、約80枚。移民の日常を松本さん自身が、20年近くかけて撮影したものだ。
 こだわりのモノクロ写真の中で、豊かな表情を見せる被写体に、「いい顔してますでしょ、このおじいさん。深く刻まれた皺が年輪みたいに思えるんですよ」と、大阪弁の軽妙な語り口で一枚一枚を披露した。
 また、今と昔の変化を対比した写真も多く紹介し、聴衆を惹きつけた。
 上映が終わり、来場者から、「知っている人、お世話になった人の懐かしい姿が見られてよかった」「濃い一時間でした」などの感想が出る中、同会は終了した。
 講演後、松本さんは「たった20年でも、もう会えない人、もう見れない風景が沢山ある。これからも、写真を通じて記録の大切さを伝え、自分もまだまだ続けていきたい」と思いを語った。
 実際に、紹介されていた人の中には亡くなられている人も多く「この人ももう亡くなられてしまったんですけど―」という前置きが何度も使われたのが印象的だった。
     ◎
 松本さんは66年大阪生まれ。24歳からカメラの道に入り、カメラマン助手時代の92年、インターナショナルプレスで入賞。そのときの賞品がブラジル往復切符だったことが契機で初来伯。
 94年に日伯毎日新聞に入社、98年から現在まで11年間サンパウロ新聞に在籍し、去年からはデスクを務めている。

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