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早稲田大=鈴木南樹の史料を寄贈=図書館から移民史料館に=ハガキ84枚のコピーなど

ニッケイ新聞 2010年5月27日付け

 〃移民の草分け〃鈴木貞次郎(南樹)が欧州旅行した歳に東京の友人に宛てて書いた手紙が、2年前に東京・神田の古本屋(八木屋)で見つかった。日本移民史料館に買い取らないかとの話が持ち込まれたが資金難で実現に至らず、鈴木貞次郎の出身大学である早稲田大学が買い取ることになり、同大学から移民史料館にそのデジタル・コピーを贈呈するセレモニーが21日に行われた。

 現在、早稲田大学移民・エスニック文化研究所と協力して、同史料館はデジタル史料保存プロジェクトを進めていることもあり、この貴重な史料が贈呈されることになった。
 同史料館では2年前に邦字紙を通じて購入に協力する篤志家を募ったが、実現には至らなかった経緯がある。しかし、早稲田大学校友会の支援もあって、同大学図書館が購入していた。
 21日に同図書館で行われた贈呈式には、南樹の書いたハガキ84枚と手紙1通のデジタル・コピーが、移民史料館の栗原猛運営委員長に手渡された。
 当日は図書館館長の加藤哲夫氏、同副館長の宗像和重氏、同事務部長の中元誠氏、同資料管理課長の藤原秀之氏、総長室副部長の藤井公博氏、移民・エスニック文化研究所所長の森本豊富氏、中村茂生客員研究員、早稲田大学評議員の鴛海量良氏が立ち会った。
 栗原運営委員長は、「この資料をサンパウロ人文科学研究所の協力をえて分析解明して、新たな鈴木貞次郎の一面が発見されることを期待している。今回を契機として早稲田大学とブラジル日本移民史料館とは一層の連携を強めることにした」としている。
 移民史料館からは、日本語版百年史編纂委員会(森幸一編纂委員長)から刊行された日本移民百年史別巻の写真集『目で見るブラジル日本移民の百年』(08年、風響社)を返呈した。

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