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ニッケイ新聞 2010年6月3日付け

 「韓国人街」条例(Lei 15.110)の文面は、正式には「ボンレチーロ区を韓国伝統や他地方のそれの文化軸と制定する」というもので、戦前から同地区に住むユダヤ系、ここ十数年で増えたボリビア人にも配慮した文面。式典最初の国歌斉唱の場面で、韓国国歌では会場中から大合唱が響いたが、ブラジルのそれは舞台上の歌手の声がスピーカーから流れた様子から、コロニアの若さを実感。ファッション街としてはすでに有名な同区だが、これからは韓国文化発信地としてさらに期待できそう。
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 2日付け本面で紹介した歌手・ロベルトさん夫妻の新曲「心から」。日本語がサビになったポ語のヒップホップというのは、おそらく世界で初めてか。ロベルトさんが1日に大阪橋の上で写真撮影していると、たくさんの通りすがりのブラジル人が「オオッ! ココロカラ」と呼びかけて行ったとか。ロベルトさんは腎臓の病気で死にそうになったとき、7人兄弟の末っ子アレシャンドレさんから臓器移植してもらい、命拾い。今回もフッキの番組でも、彼が4千個の木片を並べてドミノ倒しを成功させないと、ロベルトさんが歌えないという重要な使命を帯び、8日がかりでやり遂げ、再び救った。いわく「倒れても、やり直す。ドミノは兄貴の人生と同じ」。
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 愛知県豊田市の少年補導委員に日系ブラジル人の松田セルジオさん(55)がなった、と中日新聞などが報じた。市内6800人のブラジル人の半数が住む保見団地に住む。「非行防止には意志の疎通が大事」と豊田署が決めた。県内に2千人いるという少年補導員で外国人は初。松田さんは、「親が1日中働き、寂しい思いをしているブラジル人少年の力になりたい」と話している。同県の豊橋署も今月、ブラジル人3人に委嘱する。日本語が分からず、非行に走ってしまう子供たちの助けになれば、と願う。

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