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ブラジル人の心のケア=浜松市がポ語の相談窓口

ニッケイ新聞 2010年7月8日付け

 【静岡新聞】日系ブラジル人が多く住む浜松市が6日、自殺予防対策の一環として、ブラジル人が対応するメンタルヘルス相談窓口を市多文化共生センター内に開設した。全国的に自殺予防対策が急務とされる中、在住外国人を対象とした心のケアは珍しい取り組み。市は「生活苦や失業など、心的ストレスにつながる社会的要因が増えている」(精神保健福祉センター)と話している。
 ブラジルで心理カウンセラーの資格を持つ大嶋チットさんが相談員を務める。予約制で毎週火、金曜と隔週の土、日曜に相談に応じる。
 市の自殺対策の中心となる同センターは昨年、市内在住の16~79歳のブラジル人5千人を対象にアンケートを実施。回答した722人(18・5%)の集計によると、「来日後、自殺を考えたことがあるか」という質問に1割弱が「ある」と回答し、「日本人と同じくらいの割合」(同センターの二宮貴至所長)に上った。「日本語が分からず相談しにくい」などカウンセリングを求める声も多く、窓口開設を考えた。
 5月末には、ブラジル人相談員らの知識を深める取り組みとして心理学者の講演会を開催。県内外から約80人が参加し、ストレスチェックや呼吸法などを母国語で学んだ。
 ブラジル人の心の健康の問題に関しては、医療従事者による相談ダイヤルや「浜松いのちの電話」のポルトガル版など民間の取り組みが主体だった。二宮所長は「不況で帰国者が増え、友人、家族などのネットワークが薄れているのでは。病院との連携など今後の課題はあるが、『まず話を聞いてほしい』という人の声に応えていきたい」と話している。

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