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勲章、イタグァイの草分けに=リオ管内、塩瀬さん感激

12月4日(木)

 [リオ]リオ総領事館は、去る十一月二十五日同館で、平成十五年(〇三年)秋の叙勲で旭日単光章を受章した、同館管内の塩瀬昭三氏(七五)に勲章、勲記を伝達した。神谷武総領事が親しく祝辞を述べ「新しい世代が塩瀬さんを大切な手本として、発展に向けて前進することを期待する」と述べたのが印象深かった。
 塩瀬さんは、イタグアイ市の日系人の草分けである。アゾンバ地区に入植、初期開拓者として辛酸をなめた。縁の下の力持ち的存在で、有言実行、コロニアを常に支えてきた、といわれる。今度の受章理由は――長年にわたって日系人子弟への日本語教育、野球はじめ相撲や柔道など広い分野のスポーツの普及に尽力。バイシャーダ・フルミネンセ地区の洪水の際には、被災した多くの日系農家の再建に貢献した。イタグアイを中心とした地域において、日系社会の発展と日本文化の継承のために心血をそそいだ。地元住民たちとの交流をはかり、日系人の範だった。
 伝達式には、鹿田明義リオ文体連理事長、仁田公夫リオ日系協会会長、八十住勲リオ日本商工会議所会頭ら四十人もの招待客が出席、受章者の栄誉を祝った。塩瀬さんは謝辞で「本日の光栄を忘れることなく、今後とも一層精進したい」と述べた。あとは胸がつまって言葉にならないほど、感激していた。(中村博幸通信員)

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