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伯国体験を外国人児童教育に=豊橋市教委の池崎さん=半年かけパラナ各地で視察

ニッケイ新聞 2010年7月17日付け

 愛知県豊橋市教育委員会からの長期派遣として6月1日から、池崎勇さん(いさむ、52歳、富山)がパラナ州に滞在している。目的は、同市とパラナ州間での教育システム等における情報交換とともに、外国人児童教育に役立てるためブラジルの文化、社会自体を知ること。約半年間、州都クリチーバや北パラナを中心に、各地の教育局や学校などを訪問する予定だ。

 全国有数の在日ブラジル人集住地である同市。教育システム、文化、生活習慣においても情報不足になりがちな日伯間では、学校教育、子弟の行き来に際して多くの障害、問題が伴っている。
 派遣のきっかけは、パラナ州議員の西森弘志、加藤輝男両氏が豊橋市を訪れた際、同州の教育改革への支援を同市に依頼したこと。市の教育委員会からの派遣は初めてのことで、半年という期間も含め全国的にみても異例のことだという。
 池崎さんは教育委員会の教育部学校教育課に所属し、過去に、日本の教育システムに精通する「教育課程」と外国人子弟を対象とする「外国人児童生徒教育」の2つを担当した経験があった。池崎さんによれば「その両方を経験したことがある人は稀」であり、そうした理由から今回の派遣が決まった。
 学校の教師を指導する立場にある池崎さんは「私たちは、あまりにもブラジルのことを知らない。私が派遣される事には、多くの教師の方々にブラジルの教育課程、生活習慣、文化を伝えることが出来るメリットがある。とにかく大切なのはブラジルの事を知った上で教師の方々が日系人の父兄、生徒たちと向き会うこと」と話す。
 池崎さんは11月末まで滞伯。クリチーバに計3カ月、マリンガを中心とした北パラナの周辺都市などで計2カ月ほどかけ、州や市の教育局、学校を回る予定。
 そこで驚いたことは、日本では考えられないブラジルの多様性だったという。国、州、市にはそれぞれの指導要領が存在し、同じ市の学校でも教科書がバラバラだった。また日本とは学校のカリキュラムや学年ごとの進度も違う。だが、何よりその「違い」を知ることが大きな目的だという。
 自身「すごい収穫だった」と話すのは、市の教育局を訪問中にクリチーバと豊橋のメールアドレスの交換を行えたこと。「簡単な事だけど、日本から実際に足を運んだからこそできた。市が父兄とクリチーバ市の間に立ち、直接双方の情報交換ができる」と満足そうに話す。今後他の町でも進める意向だ。
 また、今回の派遣で特徴的なのは、報告書の存在。池崎さんが毎日書く報告書は豊橋市のホームページで見る事ができる。
 地元紙の取材に対して池崎さんは、「ブラジルでの業務、経験を帰国時に一度に報告したのでは、関係者に十分理解していただけないかと思う。だから、毎日1ページ程度の報告であれば、皆さんも見ていただけるのではないかと思っています」と答えている。
 さらに、「生活習慣の異なる外国の方との共生を考える時、その方の生活習慣の一端でも理解した上で初めて共生ができるのではないかと思います」とし、「報告書を通じて、ブラジルにいる私と日本の関係者の方の架け橋になればと思っています」とその思いは熱い。
 報告書には業務以外の私生活についても多くの記述があり、ブラジル社会の様子や生活状況を伝える。その報告書に対しての意見、要望も可能な限り聞き入れる考えだ。
 池崎さんの報告書「Mr・池崎のブラジルからBoaTarde」のアドレスは、www.city.toyohashi.aichi.jp/kyoseikokusai/tayori/tayori_ikezaki.html

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