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交流と学びから得た「気づき」=汎米日本語教師研修=「日本と母国を愛する人育てたい」

ニッケイ新聞 2010年8月6日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)主催、JICA後援による第25回汎米日本語教師合同研修会の閉校式が7月28日、聖市の同センターで開催され、終了証書を受け取った27人の日本語教師らは共に学んだ仲間たちとの別れを惜しんだ。
 同研修のテーマは「気づき」。文型・文法、指導技術などの授業のほか、数人のグループで2度の模擬授業を行い、その中で気づいた事を発表し、最後に講師が助言を行うといった研修内容だった。
 閉会式前の総括の時間、研修生の出身国であるブラジル、カナダ、ドミニカ共和国、ボリビア、ベネズエラ、ペルー、パラグアイ、アルゼンチンの8カ国と日本の国旗が並べられた会場で研修生各人が10日間の研修の成果を発表した。
 「寝る間も無いほど、厳しい研修でした」「日本語は自然に覚えたもの、教える事、学ぶ事の難しさに気づいた」「アメ玉袋1つでも教材になる。生徒の気を引く授業ができそう」などといった発表が聞かれる中、終盤には嗚咽が混じった発表もあった。
 アルゼンチンから参加した与那嶺エリカさん(19、フロレンシオバラ日本語学校)は「日本語の勉強が好きになれば日本も好きになってくれると思います」として「日本と自分の国を愛する人を育てるのが私たち先生の仕事だという事に気づきました」と涙ながらに発表した。
 閉校式ではまず谷理事長が情熱を持ち行動することの重要性を説き、「できるだけ遠くの国からこの研修に参加してほしい。皆さんここでの経験を母国で伝え、仲間を連れてきてください」と言葉を贈った。
 JICAの村上ビセンテ企画班長、国際交流基金サンパウロ文化センター内山直明所長らの祝辞の後、カナダから参加した杉本貴美子さんが研修生を代表し謝辞を述べた。
 そこでは研修中、自身の授業の反省点に気づき、親子ほど年の離れた研修生との親睦に刺激を受けたことなどが紹介された。
 最後に来賓から一人ひとり終了証書を受け取り閉校式は終了。 研修生からセンターに贈られた寄せ書きに「この研修は一生の思い出でになりました」と書いた高梨カリナさん(24、アラサツーバ日本語普及センター)は修了証書を受け取る際に涙を流していた。
 「遠いと思っていた国から来たここでしか絶対に出会えなかった人たちに会い、色んな国に日本文化に興味がある人がいることを知り、日本語の強さを感じた。別れが寂しい」と話し、腫れた目にまた涙を浮かべた。
 松本淳さん(39、ポルトアレグレモデル校)は「自分の授業は教科書どおりになってしまっていた。生徒の興味を引くには頭を使わないといけなかった」と研修での「気づき」を満足そうに語った。
 閉会式後の昼食会では研修生同士別れを惜しみながら、これからも交流を続けることを約束し、涙ながらに再会を誓う姿が見られた。

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