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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年8月18日付け

 もちろん一般化はできないが、ブラジル人の日本人に対するイメージは100周年で聞き飽きた「勤勉」「働き者」「真面目」ということに落ち着くだろう。「面白みがない」「要領が悪い」といった面もよく聞く▼逆はといえば「楽天的」「いい加減」「おおらか」といったところが典型的なものだが、ブラジルの国自体に対しての印象として相当強く染み付いている「危険」は、在日ブラジル人に対してもあてはまるのだろうか▼昨月、大阪市内で19歳と22歳が強盗致傷事件を起こした。それは別に珍しくもないのだが、この二人は、乗用車に乗っていた60代の男性に対し、ブラジル人を装って「マネー」「ブラジル人怖いよ」と脅した上で暴力をふるったというのである。双方に同じ認識がなければ、通用しない▼警視庁発表の犯罪統計によれば、国籍別犯罪数は中国に次いで2位。青少年犯罪はダントツの1位となって久しいだけに不思議ではない。ブラジル人犯罪のニュースも多い。ただ静岡や愛知ではなく、大阪で、というのが肝である。若い世代の感覚に当てはまるのだろうか、と気になった▼大阪出身で容疑者と同い年の22歳の編集部員に聞いてみると「それが脅し文句になるかなあ…」と首を捻る。京都の大学を卒業した20代の日系三世に聞いても「怖いという感覚は分からない」。ともかく、日本人がブラジル人を装ったということは、もちろん日系人なわけで、何とも興味深い。ブラジル人に対するイメージも様々となっているのだなあ、と感慨にふけるには少々暗い話ではあるが。(剛)

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