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帰伯子弟支援の活動1冊に=ISEC=『カエル・プロジェクト』出版=日伯共同で歩んだ7年

ニッケイ新聞 2010年8月21日付け

 非営利団体ISEC(文化教育連帯学会=吉岡黎明会長)が取り組む帰伯子弟向け支援事業カエル・プロジェクト(中川郷子代表)がこのほど、初めての報告書『カエル・プロジェクト』を出版し、19日午後7時から文協貴賓室で祝賀会が開かれた。

 同プロジェクトは、帰伯する子供たちが問題なく聖州の公立学校に復帰できるよう、聖州教育局と共同で各学校へ心理カウンセラーを派遣、ポ語の特別授業、帰伯生徒が在籍する学校側の配慮の呼掛け、課外活動などを展開している。
 名前の「カエル」は、「帰る」(日本から帰る)、「変える」(変化を受け入れ成長する)のほか、幼時は水中で、変態後は陸で生活する「蛙」の姿を帰伯子弟に置き換えて名づけられた。
 ブラジル三井物産基金、お茶の水ロータリークラブの後援を受け、現在までノートパソコン、プリンター、辞書、和訳されたブラジル民話絵本、折り紙といった教育で欠かせない品々が寄付された。
 当日は西尾ロベルト、渡辺和夫両弁護士や、CIATEの浅野嘉之専務理事、中山立夫ブラジル三井物産社長、聖州教育局の日野寛幸理事らも訪れた。
 吉岡会長は壇上で、多くの出席に感謝の意を述べるとともに、同プロジェクト設立の経緯、抱負、課題を説明。「ブラジルで拡大していく帰伯生徒の教育問題を文化協会が無視することは断じて許されることではない、と2003年から本格的にプロジェクトを組むことになった。それがこのように草の根運動によって着実に成長していることに喜びを感じると共に、さらにデカセギ帰伯家庭を支えられる活動をしていきたい」と力説した。
 その後、聖州立校E. E. Ana Pontes de Toledo Nataliの藤江千恵子校長があいさつし、「我が校には数名の帰伯生徒が在籍している。入学当時、適応障害やポ語習得の困難が目立ったが同プロジェクトの献身的な活動によって現在、彼らは楽しい学校生活を送っている。感謝の気持ちでいっぱい」と述べた。
 続いて、同プロジェクトの活動がスライドで上映されたほか、アクリマソン・ロータリー阿部義光氏から、お茶の水ロータリーを代表して「当クラブは東アジアの地雷撤去活動などの国際奉仕活動に力をいれてきた。そのため帰伯生徒の教育問題を少しでも手助けできるよう書籍類や文具などの寄付をしてきた。これからも同プロジェクトに貢献できるようがんばっていきたい」との祝辞が紹介された。
 最後に、今後の活動の成功を祈り、関係者子弟の中学生3人が、日本の歌手Kiroroの「未来へ」を電子ピアノ、バイオリンと歌で披露した。

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