ニッケイ新聞 2010年8月24日付け
8月20日に行われたダッタフォーリャの大統領選支持率調査によると、労働者党(PT)のジウマ・ロウセフ氏が支持率を47%に伸ばし、第一次投票で決着が付く可能性がより高まったと21、22日付伯字紙が報じた。民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏の支持率は30%、緑の党(PV)のマリーナ・シウヴァ氏の支持率は9%だった。
今回の調査は、17日から始まったテレビ無料政見放送が大統領選挙での支持率にどの位の影響を与えているかについて調べたもので、全国2727人の有権者対象に聞き取り調査を行った。
7月20~23日の調査迄はジウマ氏とセーラ氏の支持率は36%と37%と拮抗していたが、8月9~12日の調査では41%対33%、今回調査では47%対30%とその差が徐々に拡大している。また、支持者名を挙げた回答(有効票)でのジウマ氏支持率は54%に及び、一次投票で次期大統領が決まる可能性はより高まった。
4月迄リードを続けていたセーラ氏が、40%あった支持率を大きく下げてきている事はPSDBや共闘政党関係者を慌てさせ、22日にはPSDBが緊急対策会議を開いた。ただ、現時点ではPSDBとしての方針変更などは考えられておらず、テレビ放送の時間などで不利な立場となっているセーラ陣営にとっては、ある意味で逆転材料となるような新事実が現れてくるのを待つ以外に手がない状態だ。
一方、一次投票で決着の可能性が強くなってきて動き出したのは、PTと連立を組んでいる民主運動党(PMDB)。新政権での閣僚ポストなどの交渉を早々と開始したいところだが、ジウマ氏は、組閣は選挙結果が出てからと釘を刺した。
とはいえ、当のジウマ氏はルーラ大統領と次期閣僚について話し合ったと24日付フォーリャ紙にはある。先日来、ジルマ氏当選の暁にはご意見番を任ずるとの発言を繰返しているルーラ大統領は、組閣についての意見は言うが、最終決定はジウマ氏が自分自身のカラーを出せる様、彼女の手に任せるとの意向を表明している。
候補者に関する情報源はテレビ88%、新聞54%とされ、調査でも、テレビ宣伝を見た人(34%)のジウマ氏支持率は53%。セーラ氏は29%、マリーナ氏は11%で、宣伝を見てない人の間での支持率(ジウマ氏44%対セーラ氏31%)に比べ、その差は明らかに大きい。
地域別支持率は、南伯のジウマ氏38%対セーラ氏40%以外は、全地域でジウマ氏がリード。北東伯では60%対22%になるなど、両者の差は拡大している。前回同率だった女性の支持率も43%対31%で、ジウマ氏リードに転じた。
決選投票を仮定した場合の支持率は51%対39%で、ここでもジウマ氏有利となっている。