ホーム | 日系社会ニュース | 福岡県人会=若い世代へ大きな期待込め=県人移住百年と創立80年=麻生知事ら800人が万歳

福岡県人会=若い世代へ大きな期待込め=県人移住百年と創立80年=麻生知事ら800人が万歳

ニッケイ新聞 2010年9月4日付け

 ブラジル福岡県人会(南アゴスチンニョ俊男会長)は8月29日、サンパウロ市リベルダーデ区の客家会館で県人移住百周年、同会創立80周年の記念式典を挙行した。母県からは麻生渡知事(全国知事会長)はじめ林裕二県議会副議長、武藤栄治・同県海外移住家族会会長(県会議員)ら約40人の慶祝団が来伯。祝典に合わせて開かれた「第7回海外福岡県人会世界大会」出席のため、各国県系人も多数訪れ、関係者、来賓など800人近くが節目の年を祝った。福岡県人のブラジルへの移住は、第2回移民船「旅順丸」の21家族79人が嚆矢。

 大部一秋在聖総領事夫妻、柳井ジョルジ上議、ウィリアン・ウー下議、羽藤ジョージサンパウロ市議、主要日系団体代表らも駆けつけた。
 国歌斉唱、先亡者への黙祷後、挨拶に立った南会長は、「県人会運営を次世代に繋ぐよい機会」と今回の式典を位置づけた。
 麻生知事は、「今後も海外福岡県人会を応援していく。懸け橋として活躍を期待したい」と話した。
 武藤会長は、サントスの上陸記念碑に書かれた「この大地に夢を」の言葉を挙げ、移住者の志を今後も育み続けて欲しいと述べた。
 県表彰では、特別功労者5人、一般33人、高齢者19人が表彰され、それぞれ代表者が賞状を受け取り、会場から拍手が送られた。
 県からの記念品・特産品などの目録、記念誌発行への寄付金、メキシコ、アルゼンチン、ペルー、コロンビアの県人会からも記念品を受け取った南会長は、県人同士の温かい心遣いに対し、深く頭を下げた。
 2009年度の留学生南千秋ビビアンさん(25、四世)が留学生代表として挨拶し、「日系人であることを誇りに思えるようになった」と経験を話し、同制度の継続を願った。
 同県人会会長を2期4年務めた矢野ペドロさん(二世)は、1914年に移住した父・清治さんに思いを馳せ、「良く働く真面目な人だった。今でも自分の理想像」と話した。
 万歳の発声を行った中村顧問は45年来の県人会の古参。会長も務めた。
 「昔は徹底的にやり、役員も血の気が多く、方針を巡ってよく喧嘩したもの」と往時を懐かしみながら、「一世、二世の感覚のズレを理解し、古い人達が若者に付いていくという考えが必要」とこれからの会運営のあり方を示していた。

image_print