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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年11月6日付け

 11月3日は「文化の日」。皇居では文化勲章の親授式が行われ、今年もノーベル賞に輝いた鈴木、根岸さんら7人に天皇陛下が勲章を手渡された。この日はまた秋の叙勲者を発表もし、4000人を超える方々が選ばれ制度改正後の最高を記録したそうである。しかも、民間人を増やしちょっぴり「民高官低」に近づいたけれども、やっぱり政治家や官僚が圧倒的に多い▼それでも―元参院議長の扇千景さんが今回最高位の桐花大綬章を受賞するのは、真に喜ばしい。扇さんは宝塚の舞台から映画やテレビに出演し人気者になり、故福田赳夫首相の推薦で政界入りして閣僚になり参院議長になった。ご主人の坂田藤十郎さんと一緒にブラジルを訪問したこともあるし。勿論、女性で桐花大綬章を受けるのは初めてであり、大変な名誉と言っていい▼衆院議長だった社会党の土井たか子さんは、あるいは辞退したせいか―未だに叙勲されていない。首相になった故・田中角栄氏も勲章を手にしていないが、これはロッキード事件で政界や世を騒がせたからだけれども、今や社民党の議員らも競って勲章亡者なのに―どうも土井さんの勲章嫌いは身に染み付いているらしい。共産党はさすがに筋が通っていて名議長?の故・宮本顕治氏にも叙勲の話はない▼今回は、広中和歌子元環境庁長官、南野知恵子元法相の二人が旭日大綬章を受けるのは嬉しい。女優の司葉子さんも旭日小授章なのは、それだけ女性の社会活動が進んでいるの証拠だろうし、あと10年もすれば、ブラジルのように日本に女性宰相の誕生も決して夢ではない。(遯)

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