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デイサービス「シャローム」が10周年=「おみこしの力」で支えあい=移住者に安らぎのひと時を=創始者小井沼さんも出席

ニッケイ新聞 2010年11月17日付け

 移住高齢者にこころ休まる場をー。通所介護施設のデイサービス「シャローム」(福浦利明代表)が創立10周年を迎え、11日、援協福祉センター5階ホールで創始者の小井沼真樹子さん、福浦代表、サービス利用者とその家族、ボランティアなどのべ80人ほどで記念祝賀会を開催した。週に1回、2人の利用者から始まった同サービス。現在はサンパウロ福音教会内で火・木曜日に17人ずつを受け入れ、「親しんだ日本の味、文化を提供し、皆と共に楽しい時間をすごす」事などを目指し活動している。待機者も出る人気だ。祝賀会では、歌やダンサ・セニョールで利用者らは体を動かし、この10年間の活動を振り返ったDVD上映に見入った。

 ヘブライ語で「平和」を意味する「シャローム」の創始者の1人、小井沼さん(63、東京)は、30代から母親の介護を初め、高齢化問題への関心を持っていた。
 ホームヘルパー2級の資格を有し、夫の駐在の関係で在伯経験後、独学で牧師となり、同教会の牧師公募に伴って再来伯を果たした。
 2000年、「大切な出会い」であった福浦さんとの間で、日系高齢者への奉仕活動を相談し、共に青写真を描き始める。
 「体が悪くなった移住者は家に閉じこもりがちになるが、子らのとの意思疎通が難しく、深い意味での感情を表せる場が少ない。そうすれば高齢化も早い。誠実に生きてきた人たちの最期がそれでは残念」と、活動発足の動機を語る。
 祝賀会で小井沼さんは「シャロームは、命に対する暴力が世に溢れる中、世界の片隅でその流れに逆行する活動を続けてきた」と述べ、関係者らに感謝の思いを表し、「この活動はリヤカー型ではなく、御神輿(おみこし)型。1人の力持ちが引っ張るのではなく、皆で持ち場を守りあい、楽しく元気にやっている」とあいさつした。
 福浦さんに続いて森口イナシオ援協会長があいさつし、施設に入るのではなく普段家族と過ごし、定期的に集まり、活動することの重要性を語り、賞賛の言葉を述べた。
 息抜きの時間に移り、ダンサ・セニョールの中川クララ講師が風船を使った体操を行い、利用者らは元気に体を動かし、多くの笑みがこぼれた。
 現在レシーフェの教会に勤める小井沼さんに代わってコーディネーターを務める作間悦子さんによれば、利用者の平均年齢は90歳になり、活動は主に午前中のゲームや歌、昼食を食べた後のお話の時間など。
 血圧等の検査もあり、数値によってはその日の食事の調整も行う。かかる費用は月の会費30レアルと毎回の食事代5レアルのみ。44人のボランティアが支えている。
 シャロームに通う最高齢の大野春子さん(99、高知)はほとんど休まずに通い、毎回の集まりを楽しみにしている。
 長年続けたゲートボールを止めたことで、「友達が欲しかった」という。今は「皆さんとお話をする時間が楽しく、身近な人の存在が大切だとおもっています」と目を細めた。

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