ホーム | 特集 | 新年特集号 | 2011年新年号 | ■新年に考えること=ブラジル日本都道府県人会連合会=会長与儀 昭雄

■新年に考えること=ブラジル日本都道府県人会連合会=会長与儀 昭雄

特集 2010年新年号

ニッケイ新聞 2011年1月1日付け

 謹んで新年のお慶び申し上げます。旧年中はいろいろとご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
 海外最大の日系人集団地であるブラジルでは、移住百年を経過して今では二世から三世へと主力が移りつつあります。
 それは県人会においても会員の構成もそうなってきています。と言っても母県とのつながりの中で交流を続けてゆくためには日本語が必要です。
 魅力ある県人会活動を続けるためには、日本語だけの会話では継続が困難になっていますが、47ある県人会の中には、人材の面もありますがうまくこれを切り抜けることができません。
 しかしながらこれも横のつながりを広げれば切り抜けることができると思います。
 そこで県連が役に立ちたいと思います。いままでどちらかと言えば、この面では連合会としての役割を果たしていない感じがします。ここで県連が県人会と協力して役立つようにすることが使命と考えます。
 母県との連絡交流が過疎になると、予算やその他のことでいろいろな面で支障をきたし、交流事業もうまく行かなくなってきます。
 また移住者の多い少ないで交流が途絶えたりするのでも無いと思います。それは常日頃から密接に連絡を取り合い、交流を続けることです。
 ブラジル日系人の中にもこの留学・研修制度を利用して3千人以上の人が日本に行ったのですから、このOBにもう一度呼びかけて県人会組織へのてこ入れを計ることも必要で、いずれの場合も橋渡しする人が必要となります。
 なにをやるにしても、根回しをしっかりし、そこから始めないと失敗します。県連ではこのお手伝いをさせていただきたいと思います。これからの世界、ブラジル社会を考える時、もっと大きな視野に立ち物事を考え進めていくことが大切です。
 いろいろな面での交流が疎遠になっていく中、新しい日系社会を形成することが大切で、近年減少傾向にあります留学生、研修員制度の継続、明日を作る青少年の短期訪日交流なども県人会などと共に訴えていきたいと思います。
 また、県連では、郷土芸能、郷土食の祭典であるフェスティバル・ド・ジャポンを通じて、伝統ある郷土芸能を守って来られた方々、郷土に永く伝わり郷愁を呼ぶ郷土食をブラジルの地に残すこと、また「移民のふるさと巡り」なども、これからも深めて行きたいと思います。
 今年も昨年同様よろしくお願い申し上げます。
2011年1月 元旦

image_print