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交代で自慢の喉を披露=ブラジル民謡協会の忘年会=18年やっても「まだ浅い」

ニッケイ新聞 2011年1月8日付け

 ブラジル民謡協会(桜庭喜太郎会長)は先月4日昼、サンパウロ市の同会館で忘年会を行い、30人以上が集まって交代で民謡を楽しみ、賑やかなひと時を過ごした。
 桜庭会長は「みなさんのおかげで今年も平穏に過ごせ、会が活動できたことを感謝します」と挨拶した。創立22年目を迎え、リオ・ピケーノやサントアンドレなどの地方会員を入れれば120人という大所帯だ。
 斉藤美恵(みえ、80、茨城県)副会長も「カラオケと同じで、好きな曲を歌うから長続きする。最初はカラオケだったけど、遊び半分で初めてすっかり好きになっちゃった。18年間、民謡をやっているけど、まだまだ浅いと感じる」という。「アパートだと練習も出来ないから、ここに来て声を出すんです。歌うだけじゃなく、こうやってみんなで集まって話してね」と微笑む。
 同協会では毎年11月に奥地大会が開催、さらに8月には全伯大会を行い、優勝者は日本の武道館で歌う素晴らしい機会を得る。今年10月12日に日本で美声を披露してきた小林和八(わはち)さんはマイクを握り、「普段テレビで見ているプロの人たちが歌いよる。自分もおんなじステージに立つのかとガタガタ震えてしまった」と当日の様子を生々しく報告する。「本当に大きな舞台で、うわーっと思った。あんなところで歌えるなんてみなさまのおかげ。一生に一度」と語り、日本での興奮と感動を再現した。
 小林さんと共に訪日した精木(あべき)幸一(こういち)さんも「日本では温かく歓迎してもらい、素晴らしい一時を過ごさせてもらった」と感謝した。また、尺八の佐々木光躬(てるみ)さんも「みなさん良い年を迎えてください」と挨拶した。
 日系人と結婚した娘について4カ月前に渡伯した〃新移民〃松永栄子さん(えいこ、74、三重県)は「こうして仲間に入れてもらって、来てよかった。日本ではやっていなかったので、ブラジルにきて民謡始めるとは思いませんでした」と笑った。浜田米伊さん(よねい、81、高知)も「毎年、忘年会を楽しみにしている」とご馳走に箸を伸ばした。
 会員らは次から次へと交代で前に出て自慢の喉を披露し、会場は終始なごやかな雰囲気に包まれていた。
 かつて会館建設時に桜庭会長らと苦労した仲間で、一時期離れていたが10年ぶりに会に戻ってきた瞬(しゅん)稔男さん(としお、78、山口県)は、「応援するつもりで戻ってきた」と力強い笑顔をみせた。

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