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第11回日系農協セミナー=日本と南米農業の連携探る=池上彰氏、元農相が基調講演=28日は一般参加も

ニッケイ新聞 2011年1月18日付け

 「第11回南米日系農業活性化セミナー」が今月27、28両日に開催されるのに先立ち、昨年12月23日、主催のエックス都市研究所から田中規子氏、JICA(国際協力機構)サンパウロ支所の村上ヴィセンテ氏、共催団体のブラジル農業拓殖協同組合連合会(農拓協)の近藤四郎会長が出席してニッケイパラセホテルで記者会見を開いた。
 会見冒頭、百年史農業編の編纂問題について田中規子氏が、「コロニアをお騒がせして申し訳ありませんでした」と謝罪、その後、進行中の「2010年度食料供給安定化国際農業連携対策事業」について報告した。
 同事業は、日本が食糧危機に陥った際にも質、量ともに安定した農作物輸入を行う手段として、南米の日系農家との協力・連携体制を構築することを目的として実施されるもの。
 1=南米4カ国(ブラジル、パラグアイ、ボリビア、アルゼンチン)とのアグリビジネス(農業関連産業)の創出、2=その創出に必要な情報、日系農協、農家の経営基盤の強化に繋がる情報収集、3=日系農協、農家の自立運営を支援し、経営の近代化、農協組織の強化、農場技術の開発や普及を推進することからなる。
 現在、調査、検討会を繰り返し、大豆10トンほどを試験輸出。パラグアイ産の緑豆(モヤシの豆)などの輸出も検討している。2月には、同事業に関心を持つ、日本の調査団を南米に派遣する予定だという。
 日系農協セミナーは、28日のみ一般にも開放される。参加無料。場所はサンパウロ市インターコンチネンタルホテル(Alameda Santos, 1123 )で、午前9時から午後5時ごろまで。全体テーマは、「日本の食糧供給パートナーとしての南米日系農場者」。同時通訳つき。
 ロベルト・ロドリゲス元ブラジル農務大臣が「南米の世界食料戦略(仮題)」(午前9時40分から予定)、日本のジャーナリスト池上彰氏が、「来るべき食糧危機に備えるー日本の針路」(午前11時から予定)をテーマに基調講演を行う。
 パネルディスカッションでは、インテグラーダ、トメアスーの両農協幹部、日系連邦下議などを招き、農作物輸出に向けた高付加価値化、日本市場に合致する品質や商品開発、日系農協の体質、連強強化など、いかに日本市場に商品をアピールするかを探る。
 27日は関係者らによる分科会が開かれ、南米における農産物の高付加価値化について、その取り組みの紹介事例の報告や討議、食品加工の研究者、サンジョアキン農協関係者による講演なども行われる予定。
     ◎
 28日の参加希望者は農拓協事務所(電話=11・5572・9157)、JICA(3251・2655、担当=渡辺)、メール=seminario.nikkey@notakyo.com.br、まで申し込みが必要。先着100人となる。

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