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イビウナ庵便り=中村勉の時事随筆=11年1月24日=あれやこれや

ニッケイ新聞 2011年1月27日付け

 今朝も当地の新聞で先ず見るのはSerrana関連記事。死者809人、行方不明者469人とある。サンタカタリーナにも大雨、家屋倒壊多数とのこと。衛星TV放送では、オーストラリアの洪水も大々的に報じられているし、NHKのHead Lineは日本海側の大雪被害だ。この季節、自然の仕置は厳しい。怒っているようだ。
 日本の新聞広告で売れ筋の本を見ると、一つには「捨てる」「整理法」「シンプルな生活」などのタイトルで、どれも数十万部xxx刷とうたっている。GDPで中国に世界第2位の地位を奪われたと嘆く国では、物が溢れかえって困っているらしい。
 今回の水害で、ブラジルのボランティア救援活動の迫力に改めて感動した。お国柄で、一見無秩序のようだが、Actionが早い、飲料水や食糧がリオ・ノルテ長距離バス停に続々と持ち込まれるTV映像を観た。恐らく、支援物資集合所から被災地までの運搬が不備で大量に腐れさせたとか、必需品と支援物資のミスマッチとか、あるいは募金の流用等の批判が今後出てくるだろう。それにも拘わらず、困っている人々を助けようとするブラジル人の熱意には、何時もながら圧倒された。
 日本の政治はどうなって行くのだろう。与野党とも、怪人小沢一郎に振回されている。与党の内部結束には強い野党が必要(朝日の天声人語)との吉田茂元首相の言に従い、一日も早く与野党とも小沢呪縛を脱し、強い与党、強い野党になって欲しい。国民も何時までも三文オペラを楽しんでいる場合ではなかろう。
 ブラジルに目を向けると、ルーラ前大統領が孫を含め9人の子・孫に外交官用の特別パスポートを作らせていた、と新聞の小さな記事にあった。所詮その程度の人物だったのか、と思ったのは私だけではなかったろう。これに対し、ジウマ大統領はノーコメント。コメントに価しない、と言うことだろう。もう直ぐそれらパスポートの期限は切れる。黙々と、豪雨被害対策やその他の政務に専念している。今朝のO Globoによると、カルドーゾ元大統領が「ジウマはルーラのようなショーマンでない。往時のように毎日大統領のご説を拝聴しないで済むので助かる(something)」とコメントした由。
 チュニジアで革命が起っている。インターネット革命だと言う。世界の独裁政権は気が気でないだろう。今や、情報独占が不可能な世界になった。Wikileaksが隠しごとを暴露する。Internetが伝える。共産党一党独裁だろうが、イスラム教国だろうが、独裁は通用しなくなりつゝある。世界から壁という壁が崩壊する季節が来た。

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