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アマゾンの自然と人間の調和を=パラー=環境活動続けるASFLORA=植樹祭とエコ・クリスマスの祝い

ニッケイ新聞 2011年2月2日付け

 【パラー州ベレン発】「アマゾン森林友の協会」(ASFLORA=佐藤卓司会長)は12月23日午前9時半からサンタバルバラ郡エスペジット・リベイロ入植地で植樹祭「水源の森つくり」と共に、エコ・クリマスを祝った。植樹、環境教育、アグロフォレストリー(森林農法)導入支援などの活動に取組む同協会。創立以来10年、アマゾンの森を守り、人と自然の調和を目指す活動を続けている。

 ASFLORAは2000年12月に登録された、商業利益を目的としない科学、技術、社会貢献分野での法人(NGO)。アマゾン森林の植生、動物相の保全や荒廃地での植林とともに、地域住民の生活向上に寄与することを目的に活動している。
 環境教育にも力をいれ、講演、森の劇、街頭活動、植樹などを実施。02年から08年までに3万人が参加した。
 ガラフォン・ド・ノルテ、ベネビーデス、ベレン、サンタイザベル、ペイシェ・ボイ、モジュー、サンタバルバラ、ブレベスなど各市(郡)でこれまでに5万本以上を植樹しており、零細農家へのアグロフォーレストリィ(森林農法)導入への支援活動なども行う。
 今回の催しは、同地の入植者協会が準備を整え、真珠のミキモト(EFF/緑の募金プロジェクト)・イオン環境団体・宮本(藍工業)・月(IMdoNorte)社・Schincariol社の支援を得て実現した。
 植樹地には近辺のブレウ・ベルメーリョ入植者とエスペヂット・リベイロの住民約200人とブラジル農大会北伯分会の山中正二、福島栄、加味根良介各氏、群馬の森の平形事務局長らが参加して開会式が行われ、佐藤ASFLORA会長と入植地代表が挨拶、植樹の仕方を子供らに説明した。
 当地での植樹を兼ねたクリスマス行事は今回が3年目で、2年前に植えた場所、昨年植えた場所は近くにあり、その生育ぶりを目の当たりにして、森をつくろうという意欲が参加者を盛り上げた。
 寸劇(独り芝居=酔っ払いの戯言)を取り入れての植樹の仕方の説明は、子供たちの理解力を助け、よく納得させていた。
 21日にはベレンから車で2時間の距離にあるイガラペー・アスー郡サントアントニオ・ド・プラッタ村で同市役所環境課・母ジナイール会・パラー総合大学が企画したエコ・クリスマス行事が行われ、パラー州環境局とASFLORAが共に参加した。この行事には村の子供たち約250人が参加した。ASFLORAはこうした交流を通じて、アマゾンの森を護り、人と自然の調和を目指す活動を続けている。
 ASFLORAの植樹、環境教育活動は地元報道機関により何度も取り上げられており、06年には森林部門での環境、社会貢献を認められ、レフェレンシア誌による表彰法人にも選ばれた。現在はパラー州環境委員会のメンバーにもなっている。(下小薗昭仁パラー州通信員)

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