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島根県人会=新会長に足立操さん就任=8月に55周年と移住百周年

ニッケイ新聞 2011年2月8日付け

 在伯島根県人会の定期総会が1月30日午前に同会館で開かれ、2期務めた古田川英雄会長(69)に代わり足立操さん(60)が新会長に就任した。同会は今年、創立55周年と県費留学・研修制度40周年の節目の年。昨年迎えた県人移住百周年をあわせ、8月に記念式典を開催する予定だ。

 20人あまりが出席。総会冒頭、唯一健在だった創立会員で1月に亡くなった岡田喜一元会長(同会最高顧問)に対し1分間の黙祷を捧げた。
 古田川会長は昨年の行事を無事終えたことを喜び、8月の式典に知事来伯を要請していることなどを報告。「これから準備にあたり、皆さんの意見を聞き、理解を得ながら一緒に進めていきたい」と述べた。
 同会では昨年、焼きそば会や会報「だんだんニュース」発行、親睦旅行、中国ブロック、県連行事参加のほか、7月にブラジリアで開かれた世界遺産会議に母県の石見銀山から担当者が出席し、サンパウロ市で歓迎会を催した。11月の工芸慈善バザーでは収益から3000レアルを老人ホームへ寄付している。
 昨年度収支は、繰越し分を含め収入約17万9千、支出約10万5千レで約7万2千レを繰越した。会館賃貸、各種文化講座、ガレージ賃貸料が大きな収入源となっている。今年度予算は約15万レ。式典ほか、例年の行事や留学・研修生、青少年交流員の派遣などを予定。青年部についても、活動があれば応援する考えだ。いずれの議題も承認された。
 役員改選に先立ち古田川会長は、「もう一期という声もあったが、退任させていただきたい」と表明。理事会から足立理事を会長とする役員が推薦され、承認された。古田川会長は「どうもありがとうございました」と深々と頭を下げた。
 足立新会長は20年以上日本の商社に勤め、ブラジルに5年駐在。帰国後、00年にブラジルへ移住した。取材に対し、「一世が亡くなり、県人会は難しい時期に来ている。新しい時代の要請にあった県人会を作りたい」と述べ、県出身者の親睦という伝統を残しながら、母県企業進出の際の協力など経済活動にも取組んでいく考えを示した。
 終了後はサロンで新年会が催され、100人近くが出席した。亡くなった会員への黙祷の後、古田川さんは任期中の協力に感謝を表し、足立新会長は「県人会は会長や役員のものでなく、皆さん一人ひとりのもの。いつまでも発展するよう協力をお願いします」とあいさつした。
 安達敬之助元会長の発声で乾杯。出席者は婦人部手作りの料理を食べながら、親睦を深めた。
 その他の役員は次の通り。(敬称略)
第1副会長=村上アンドレ、第2同=福間エジソン、第3同=石川セルジオ、会計=宮村径行、婦人部長=田代憲子、監査役=浜野稔、池田良夫、高木正人。

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