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和太鼓を文化継承の起爆剤に=汎パ連合会=10月に第1回大会を開催=日本語教育に協力呼びかけ

ニッケイ新聞 2011年2月16日付け

 パウリスタ延長線沿線の14日系団体が加盟する汎パウリスタ日伯文化協会連合会(河崎義文ロベルト会長)は13日、バストス文協会館で定期総会を開催し、傘下団体代表ら約50人が出席した。2010年度の会計報告、本年度事業の開催地決定の他、同沿線での和太鼓普及に力を入れる渡部一誠汎パ太鼓連盟会長が、その普及状況と第1回汎パウリスタ太鼓大会を同連合会主催で開催する旨を報告した。新宅良実名誉会長からは日本語学習者の減少について発言があり、その振興が呼びかけられた。

 汎パ連合会の本年度の恒例主催事業は第30回民謡大会(5月1日、パカエンブー)、第16回芸能祭(6月27日、ドラセーナ)、第21回熟年カラオケ大会(9月7日、バストス)、第44回お話し大会(9月12日、ツッパン)、第5回盆踊り(10月22日、バストス)で、この日程と開催地が決定された。
 傘下14団体はすべて280レアルの年会費を連合会に納め、主催行事の出費に充てられる。
 バストス出身の渡部会長は、「この地に恩返しがしたい」と太鼓普及に取り組んでいる。日本文化の継承、若手リーダー育成の起爆剤として、「和太鼓を沿線全都市に広めたい」と出席者らの前で述べた。マリリア、バストスなどでは2級の資格を取った者が出ているという。第1回太鼓大会は同連合会主催で10月にドラセーナで開催される予定だという。
 新宅名誉会長はあいさつの中で、「今は(傘下団体の日本語学校には)100数人の生徒しかいない。日本人の顔をした子が日本語を話せるようにするために、どうか協力を呼びかけてください」と述べ、日本語能力があれば企業でより良い待遇が望めることを説明して協力を訴えた。
 バストスで私立日本語学校「バンビ」を経営する水馬京子氏によれば現在は沿線内に8つの日本語学校が存続し、新宅会長が言う以上に生徒はいるとの事。しかし、ここ4、5年の間に5つの日本語学校が授業を止めた。原因は生徒の減少もあるが、教師の引退が主な原因だという。「指導者がいない。(無くなった日本語学校は)JICAボランティアのおかげで続いていた所が多かった」と現状を説明した。
 当日は約500キロ離れたサンパウロ市から、文協選挙に出馬の意向を表明する小川彰夫氏も出席した。同氏は「20年以上も会員として会費を払っているのに(評議員選に)出ないのはもったいない。みな立候補してほしい」と連盟傘下の代表者らに評議員選立候補を日伯両語で呼びかけた。
 ニッケイ新聞の取材に対して小川氏は、「現在の評議員は全部サンパウロ市内の人。地方の声が反映されていない」と訴えた。

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