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在日ブラジル人の心のよりどころ=神戸市=関西ブラジル人コミュニティ=助け合いの活動で10周年

ニッケイ新聞 2011年3月2日付け

 【神戸新聞】関西在住の日系ブラジル人の自助グループ「関西ブラジル人コミュニティ(CBK)」が今月、設立から10周年を迎えた。海外移住者の歴史を伝える「海外移住と文化の交流センター」(神戸市中央区)を拠点に、日本語とポルトガル語教室を開催。生活の悩みや手続きの相談に応じるほか、自国文化を紹介するイベントを開くなど、日系ブラジル人の心のよりどころとなってきた。

 小学校での学習支援やポルトガル語教室でのボランティアを続けてきた日系ブラジル人の松原マリナさん(57)らが2001年、長田区で結成。毎年、「フェスタ・ジュニーナ(6月祭)」を開き、同国人の若者でつくるフットサルチームの支援なども手掛けてきた。
 03年、同センターに拠点を移し、ポルトガル語教室を始めたほか、料理、パソコン教室も開催。05年からは同センターの保存を訴え、署名活動を展開し、保存・整備を実現させた。08年には「ブラジル移民100周年祭」を企画した。
 09年からは同センターの指定管理者に。神戸で相談や手続きができる「移動領事館」をはじめ、日本人の支援者約100人が会員となる「アミーゴの会」を発足させるなど、活動の幅をさらに広げる。
 毎週開くポルトガル語教室には、現在、5〜16歳の約30人が通う。発足当初は、子どもたちの主言語はポルトガル語だったが、今では日本の生活に慣れ、日本語での会話が中心になった。
 「言葉や学力面で入学が難しくなる高校、大学へも進学できるよう、しっかり情報提供したい」と松原さん。「教育や言葉の問題を克服し、真の多文化共生社会を実現させるため今後も活動を続ける」と話している。
 同センターでは2月末まで、CBKの歩みを新聞や写真で振り返る展示をしている。(大月美佳)

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