ホーム | 日系社会ニュース | 佛立宗=ファベーラに玩具寄付=日本から送られた200箱

佛立宗=ファベーラに玩具寄付=日本から送られた200箱

ニッケイ新聞 2011年3月2日付け

 ブラジル本門佛立宗日教寺(教区長=マルコス・コレイア教伯)では、日本から送られた1トン分、計200箱もの玩具を、昨年12月12日にサンパウロ市の主だったファベーラの子供たちにプレゼントした。当日は支援団体の代表や子供たちにサンパウロ市の同寺まで来てもらい、本堂がいっぱいになるほどの品々が手渡された。
 同寺では近隣の主要なファベーラにある正式な団体登録を持つ児童支援組織を調査し、きちんとした実績のあるところを選考して15団体に寄贈した。精神薄弱児や身体障害者向けの福祉団体、キリスト教団体も含まれている。世話をする子供の数は50人から400人までと幅があるが、活動が活発なところばかり。
 この玩具は2年間に渡って日本の仏教徒からコンテナなどで送られてきた。各支援団体代表や子供たちが次々に前に呼ばれ、活動概要が紹介された上で渡された。
 寄贈を受けた団体代表のブラジル人女性は、「我々は貧困にあえぐ庶民を支援するために日々大変な困難に直面している。難病にかかり家族からも捨てられた人もいる。我々にこのような支援をしてくれるところは実に少ない。今日は本当にありがたい。お寺まで来たことで、お互いを知り合える良い機会になった」と感謝の品を教伯教区長に渡すと、謝辞に賛同する大きな拍手が会場から送られた。
 同寺では毎年末に1万レアルほどの寄付金が集められ、福祉団体に寄付している。昨年末も計9千レアルの寄付金が、援協など7団体に渡された。これらの福祉活動は、同寺の菩薩グループが中心になって実施している。
 教伯教区長は「膨大な量の玩具があつまりました。いっぱい感謝の言葉が寄せられ、近所の人たちからも誉められました」と喜ぶ。同寺では35年前から毎年福祉事業をしており、「布教、教育、福祉」の三本柱で進めていくことが役割であると説明した。

image_print